アーベラボ、最大年利9%の高利回り貯蓄アプリ「Aave App」提供へ

Aave Labsが高利回り貯蓄アプリ「Aave App」を提供へ

分散型金融(DeFi)プロトコル「アーベ(Aave)」の主要開発元アーベラボ(Aave Labs)が、新たな貯蓄アプリ「Aave App」をローンチすることを11月17日に発表した。同アプリは、米国ユーザー向けには各種ブーストを組み合わせることで最大年利9.00%の利回りをうたっており、その他の国では最大年利6.50%を上限とする設計とされる。また最大100万ドル(約1億5,000万円)までの残高保護プログラムの導入も予定しており、従来の銀行や高利回りフィンテックサービスに対抗する形で設計されている。

なお同アプリはiOS向けにApple App Storeで早期アクセス版が公開されており、公式サイトではサービス利用に向けたウェイトリスト登録も受け付けている。アンドロイド版やWeb版については「coming soon」と案内されており、今後の対応が予定されている。

同アプリでは、1万2,000以上の銀行およびデビットカードからの入出金に対応し、ステーブルコインでの無制限の送金も可能だという。銀行口座やデビットカードからの入金には1日あたりの制限があるが、ステーブルコインでの送金には制限がないとのこと。

利息は年中無休で24時間発生し、アーベの貸出プロトコルを通じて獲得される。アーベの公式ブログでは、本人確認(KYC)の完了や自動入金の設定、友人招待などの「レートブースト」を組み合わせることで、米国では最大年利9.00%、その他の国では最大年利6.50%を提供し得ると案内されている。一方、記事執筆時点のアーベ公式サイトのAave AppページおよびFAQでは、現行の早期アクセス版の仕様として「ベース6.00%+Auto Saverによるブースト0.50%=最大6.50%APY(年間利回り)」が明示されており、今後さらに高い利回りを実現する追加のブースト手段を導入していくとしている。

また同アプリは、従来の貯蓄口座とは異なり、利息が毎秒複利で計算されるため、ユーザーはリアルタイムで貯蓄の増加を確認できるとのこと。さらに月次、四半期、または年次の支払いを待つ必要がなく、いつでもアプリを開いてセント単位まで正確に獲得した利息を確認できるという。

同アプリには「オートセーバー(Auto Saver)」機能も搭載されており、銀行口座からAave Appアカウントへ自動的に資金を移動させる定期入金を設定可能だ。この機能を利用して貯蓄目標にコミットすることで、追加で年率0.5%の利回りを獲得できるとのこと。頭金の貯蓄、緊急資金の構築、将来の計画など、さまざまな目的に対してリアルタイムで進捗を確認しながら調整できるという。

FAQによると、アーベのマネーマーケットは過剰担保されており、借り手は借り入れ額よりも多くの資産を預け入れる必要があるため、ユーザーの貯蓄は価値の100%以上で裏付けられているという。アーベラボは、ユーザーに提供される貯蓄金利と基礎となる獲得金利との「わずかな差」に基づいて収益を得るとしている。また、最大100万ドルまでの残高保護については、保険会社と連動したプログラムを開発中であり、現時点ではまだ有効化されておらず、詳細な条件は正式ローンチ時に公表すると説明している。 

参考:Aaveブログ
画像:iStocks/yucelyilmaz

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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