クラーケンのイーサL2「Ink」、Aave v3のホワイトラベル版「Tydro」ローンチ

InkがTydroローンチ

海外大手暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケン(Kraken)とインク財団(Ink Foundation)がインキュベートするイーサリアム(Ethereum)レイヤー2ソリューション「インク(Ink)」上で、暗号資産の借入・貸出プラットフォーム「タイドロ(Tydro)」が10月15日にローンチした。このプラットフォームは、INKトークンをサポートする「アーベv3(Aave v3」をカスタマイズしたホワイトラベル版となる。

インク財団によると、同プラットフォームは「InkにおけるDeFi(分散型金融)のコアインフラ」として機能するという。またクラーケンは、タイドロを同社のCEX(中央集権型取引所)の中核サービスに統合し、「クライアントがDeFiの機会により円滑にアクセスできるようにする計画」を発表した。

同プロトコルは、アーベの実戦でテスト済みの貸出エンジンを継承しながら、インクネイティブの資本フローに特化して設計されたINKベースのインセンティブ構造を導入するという。INKはタイドロプロトコルの流動性確保と早期採用者への報酬として使用される。

関係者によると、タイドロユーザーは初回エアドロップの請求権を表すポイントを蓄積できるという。またタイドロはリリース初期、ラップドETH(wETH)、クラーケンのラップドビットコイン(kBTC)、パクソス(Paxos)発行のUSDG、テザー系のUSDT0、AaveネイティブのGHOなどの資産に対するノンカストディアル貸出市場をサポートするという。

またタイドロにおけるイールドベアリング資産とリキッドステーキングトークンは「今後の展開」として計画されているとのこと。

なおアーベは最大のオンチェーンレンディング(貸出)プロトコルであり、純預金額500億ドル(約7兆4,000億円)を突破した初のプロトコルだ。現在は純預金額750億ドル(約11兆1,000億円)、アクティブ融資額300億ドル(約4兆4,000億円)を保有し、オンチェーン貸出活動の50%以上を占める。

インク財団は以前、INKトークンはネットワークガバナンス決定に「役割を果たさない」とし、代わりに流動性集約とインクベースアプリケーションの採用インセンティブに使用すると述べていた。

同チームは、ブロックチェーンの最初のユースケースが集中的な流動性源として機能するアーベ流動性プールになると説明していた。

画像:iStocks/royyimzy・dalebor

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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