スイグループHDがSui上のDEX「ブルーフィン」と戦略提携。エコシステムの流動性強化へ

SUIトレジャリー企業が無期限先物DEXと戦略提携へ

暗号資産(仮想通貨)「SUI」の財務資産戦略を推進する米ナスダック上場企業のスイグループホールディングス(SUI Group Holdings:SUIG)が、レイヤー1ブロックチェーン「スイ(Sui)」上の分散型金融(DeFi)プロトコル「ブルーフィン(Bluefin)」と戦略的パートナーシップを締結したと11月10日に発表した。

ブルーフィンは、スイ上で無期限先物取引を提供する分散型取引プロトコルだ。最近は無期限先物取引に加えて、現物取引、レンディング、ボールト(Vaults)といった機能を統合しオールインワン型DeFiプラットフォームとして急成長している。またスイの高スループットと並列処理性能を活かし、高速性と透明性を両立した取引基盤として機関投資家の利用を見据えた設計が特徴となる。

今回のパートナーシップに基づき、スイグループはブルーフィンへ200万SUIを貸し出す方針だ。またブルーフィンの取引手数料収益の5%をSUIで受け取ることになっている。これにより同社が自社保有SUIをステーキングした場合と比較して、より高い収益性を見込めるという。

またスイグループは今回の取り組みについて、エコシステム内の流動性の活用効率を高めながら、スイのDeFi領域での市場参加を拡大する狙いがあると説明している。

なお同社は自社のSUI保有を拡大しつつ、スイエコシステム発展のための取り組みを進めている。10月にはスイ上で稼働する2種類のステーブルコイン「suiUSDe」と「USDi」のローンチ計画を発表した。suiUSDeは分散型金融プロトコル「エセナ(Ethena)」の米ドル建て合成資産USDeをベースにしたスイネイティブの合成ドル資産で、USDiはブラックロック(BlackRock)のトークン化マネーマーケットファンド「BUIDL」を裏付けとするステーブルコインとなる。

この取り組みは、両ステーブルコイン発行のための準備資産から得られる収益の一部を同社のトレジャリーに組み入れる設計となっている。これによりスイエコシステム内での流動性供給や資産運用の循環モデルを構築する取り組みの一環と位置づけられている。

今回のブルーフィンとの提携もこうした取り組みと同様に、同社が自社収益基盤の強化を図りつつ、スイエコシステム全体の成長を促進する動きの一環とみられる。

参考:プレスリリース
画像:PIXTA

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あたらしい経済 編集部

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