スイグループHDがステーブルコイン「suiUSDe」と「USDi」発行へ、エセナ・Sui財団と提携で

SUIトレジャリー企業が2種類のステーブルコインを発行

暗号資産(仮想通貨)スイ(SUI)の財務資産(トレジャリー)戦略を進める米ナスダック(Nasdaq)上場のスイグループホールディングス(SUI Group Holdings:SUIG)が、「suiUSDe」と「USDi」の2種類のステーブルコインのローンチ予定を10月1日に発表した。

これらステーブルコインは、分散型金融(DeFi)プラットフォーム提供の「エセナ(Ethena)」およびスイ財団(Sui Foundation)との協業により実現する。上場企業であるデジタル資産トレジャリー企業、ステーブルコイン発行プロトコル、ブロックチェーン財団の三者が協力してステーブルコインを立ち上げる業界初の事例になるとのこと。

エセナは米ドル建て合成資産「USDe」を提供する分散型金融(DeFi)プロトコルだ。USDeは現在、時価総額ベースで世界第3位の米ドル建てデジタル資産となっており、総ロック額(TVL)は148億ドル(約2兆2,000億円)を超える。suiUSDeは、このエセナの技術基盤を活用することで実現する、スイネイティブの合成型ドル資産となる。

またUSDiは、米ブラックロック(BlackRock)が運用するトークン化マネーマーケットファンド「BUIDL」を裏付けとするステーブルコインとなる。

両ステーブルコインを裏付ける準備資産から得られる純収益の一部は、SUIGのトレジャリーに組み入れられるという。これにより同社のバランスシート強化やスイのエコシステム全体の長期的な価値創出につなげる狙いだ。さらにSUIGの費用負担は最小限に抑えられており、資本効率に優れた事業展開が可能となるという。

またスイはイーサリアム仮想マシン(EVM)互換ではないブロックチェーンとしては初めて、ネイティブの高利回り型ステーブルコインを保有することになる。

SUIGは今回の取り組みを通じて、従来のデジタル資産トレジャリー企業の枠を超え、インフラ提供者としての役割を担う方向性を示している。同社は将来的に「スイの銀行」としてエコシステム全体の流動性ハブとなる構想を掲げており、suiUSDeとUSDiはその基盤のひとつとして位置づけられる。

両ステーブルコインは2025年末までに稼働開始予定で、米国を含む幅広いユーザー層に対してオンチェーン金融商品の普及を進めていく見通しだ。

なおSUIGは直近でも積極的な財務戦略を展開している。9月2日には約2,000万SUIを追加取得し、総保有額は1億179万5,656SUIに達したと発表した。さらに9月24日には総額5,000万ドル(約75億円)規模の自社株買いプログラムの一環として、約27万6,296株の普通株式を買い戻している。

参考:プレスリリース
画像:PIXTA

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あたらしい経済 編集部

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