世界初のオフショア人民元ステーブルコイン
9月にカザフスタンで世界初のオフショア人民元連動型ステーブルコイン「AxCNH」がローンチされた。このことは、国境を越えた貿易にブロックチェーン技術を活用するという中国政府の計画の一環だと、中国政府が支援するブロックチェーン(分散型台帳)ネットワークの幹部は述べた。
ステーブルコインは、主にドルなどの法定通貨の価値に連動するように設計された、ブロックチェーン上で発行・移転されるトークンの一種。法定通貨以外の金や暗号資産に裏付けられるものや、需要調整で価格安定を図るアルゴリズム型も存在する。現在ステーブルコインは、低コストで効率的な国境を越えた決済ツールとして、また伝統的な金融とデジタル資産をつなぐ架け橋として注目されている。
AxCNHのローンチに関わったコンフラックス(Conflux)は、ステーブルコインは人民元の国際化を後押しし、米国の制裁リスクを減らすと指摘した。
AxCNHは、中央アジア最大の経済規模を持つカザフスタンでライセンスを取得した後、香港を拠点とするフィンテック企業アンカーエックス(AnchorX)によって9月17日に発行された。
上海を拠点とするコンフラックスのヤン・グアン最高技術責任者(CTO)はロイターに対し、理論的にオフショア人民元ステーブルコインの発行に中国中央銀行の承認は必要なく、国境を越えた貿易の潤滑油として使われるのであれば中国政府はそのような動きを支持するだろうと指摘。「大国として、中国は潜在的に有望な技術を見逃すことはできず、ブロックチェーンを含むあらゆる方向に投資していくだろう」と語った。
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
世界初のオフショア人民元ステーブルコイン、カザフスタンで発行
画像:Reuters