ペイパルのステーブルコイン「PYUSD」、USDT特化L1チェーン「ステーブル」で利用可能に

PYUSDがStableに対応

米決済大手ペイパル(PayPal)による米ドル建てステーブルコイン「ペイパルUSD(PYUSD)」が、レイヤー1ブロックチェーン「ステーブル(Stable)」で利用可能になる予定だ。ステーブルのブログで9月22日に発表された。

ステーブルは、テザー(Tether)社発行の米ドル建てステーブルコイン「USDT」に特化したブロックチェーン。同チェーンは7月31日、シード資金調達ラウンドで2,800万ドル(当時約41.2億円)を調達したと発表された。調達資金は、同チェーンのネットワークインフラの整備や人員拡充、USDTのグローバル展開に充てられるという。

今回の発表によれば、この調達ラウンドにはペイパルの投資部門ペイパルベンチャーズ(PayPal Ventures)も参加したという。なお取引額は不明だ。

ステーブルは、PYUSDの利用にあたりクロスチェーン対応やオンランプ・オフランプ機能の導入を予定しており、異なるブロックチェーン間での利用拡大を目指すとしている。なお、今回の統合にはクロスチェーン相互運用性プロトコル「レイヤーゼロ(LayerZero)」の技術が活用されたとのこと。

ちなみに、9月19日にはネイティブのPYUSDを拡張した「ペイパルUSDゼロ(PYUSD0)」が、アブストラクト(Abstract)、アプトス(Aptos)、アバランチ(Avalanche)、インク(Ink)、セイ(Sei)、ステーブル(Stable)、トロン(Tron)の7チェーン上で利用可能になったことがレイヤーゼロのブログより発表されている。

PYUSD0は、レイヤーゼロのトークン規格「OFT(オムニチェーン・ファンジブル・トークン)標準」にPYUSDが対応したことにより実現した、PYUSDのパーミッションレス(許可不要)版として拡張されたトークンだ。

また、ベラチェーン(Berachain)上の「BYUSD」とフロー(Flow)上の「USDF」といったパーミッションレストークンは、自動的にPYUSDへアップグレードされる予定とのことだ。

参考:ステーブルのブログプレスリリース
画像:iStocks/null

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この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

「あたらしい経済」編集部
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