USDT特化レイヤー1ブロックチェーン「ステーブル」が28Mドル調達、ビットフィネックスら主導

Stableが約41.2億円調達

米ドル建てステーブルコイン「USDT」特化のレイヤー1ブロックチェーン「ステーブル(Stable)」が、シード資金調達ラウンドで2,800万ドル(約41.2億円)を調達したと7月31日に発表した。

ステーブルが調達した資金は、ネットワークのインフラ整備や従業員の増員、「USDT」のグローバルな流通拡大に充てられるとのこと。発表によるとステーブルは、米国でステーブルコイン決済に関する規制を明確化した「ジーニアス法(GENIUS Act)」の可決を受けて今回市場へ本格参入したという。

なおジーニアス法は、規制対象のステーブルコインの利回りや利息の支払いを禁止するものだ。同法案は7月18日にドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が署名。早ければ11月、遅くとも2027年初頭までに施行される予定だ。

今回の調達ラウンドには、ビットフィネックス(Bitfinex)およびハックブイシー(Hack VC)が主導し、フランクリンテンプルトン(Franklin Templeton)、キャッスルアイランドベンチャーズ(Castle Island Ventures)、イーガールキャピタル(eGirl Capital)、バイビットミラナ(Bybit-Mirana)、サスケハナクリプト(Susquehanna Crypto)、ネイセント(Nascent)、ブループールキャピタル(Blue Pool Capital)、ビーティーエスイー(BTSE)、クーコインベンチャーズ(KuCoin Ventures)が参加したとのこと。

また「USDT」発行元のテザー(Tether)社CEO(最高経営責任者)であり、海外暗号資産(仮想通貨)取引所ビットフィネックスのCTO(最高技術責任者)でもあるパオロ・アルドイノ(Paolo Ardoino)氏もステーブルへ出資したという。

アルドイノ氏はステーブルについて、「米国における規制環境の変化により、USDTのような資産が持つ可能性が金融機関によって本格的に活用される段階に入った」と述べた。

またステーブルは今回、今年後半に向けたロードマップもあわせて公開した。

現在進行中のフェーズ1では、USDTをステーブルネットワークの基盤レイヤーとして活用し、ネイティブのガストークンとしての実装を進めているとのこと。これに加え、1秒未満のブロックタイム(生成時間)と即時ファイナリティ(最終確定時間)の導入も進めているという。

続くフェーズ2では、USDT転送アグリゲーターの導入や、企業向けに保証されたブロックスペース(取引処理枠)の導入が予定されているとのこと。

さらにフェーズ3では、ネットワークのさらなる高速化に加え、dApp(分散型アプリケーション)開発促進のためのツールやリソースが提供される予定だ。

参考:ステーブル
画像:iStocks/BadBrother

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この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

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