ポリゴン、USDTを「USDT0」へアップグレード、「XAUt0」も新規導入

PolygonでUSDT0とXAUt0利用可能に

ポリゴン(Polygon)ブロックチェーン上で流通していたブリッジ版の「USDT」が、オムニチェーン版「USDT0」へアップグレードされた。また「テザーゴールド(XAUt)」のオムニチェーン版「XAUt0」が、新たにポリゴンに導入された。ポリゴンの公式ブログより8月27日に発表された。

アップグレードされたUSDT0は、従来のブリッジ版USDTと同じコントラクトアドレスが維持されているとのこと。そのためユーザーや中央集権型取引所(CEX)、プロトコルは今回のアップグレードにあたり、特に対応する必要はないという。

一方、XAUt0の導入によりポリゴン上の開発者は初めて金担保を借入やヘッジ、資産管理戦略にネイティブに統合可能となったとのことだ。

USDT0とは

USDT0は、レイヤーゼロ(LayerZero)が開発したオムニチェーンファンジブルトークン(Omnichain Fungible Token:OFT)規格を採用したステーブルコイン。異なるブロックチェーン上で相互運用が可能となっている。またUSDT0は、米ドル建てステーブルコインUSDTと1:1の価値を維持している。

OFTとは、レイヤーゼロが開発した異なるブロックチェーン上の代替可能トークン(FT)と、相互運用できるように設計されたトークン規格だ。

なおUSDT0は、USDT発行元のテザー(Tether)社の子会社エバーダウンラボ(Everdawn Labs)によって管理されている。このため、USDT0はテザー社が直接発行・償還するものではない。USDT0のサイトにある専用の変換アプリを使用してUSDTとUSDT0の交換が可能となっている。

現在USDT0はポリゴンのほか、イーサリアム(Ethereum)、ユニチェーン(Unichain)、オプティミズム(Optimism)、インク(Ink)、ベラチェーン(Berachain)、アービトラムワン(Arbitrum One)、フレア(Flare)、コーン(Corn)、セイ(Sei)、ハイパーEVM(HyperEVM)、ルートストック(Rootstock)、プラズマ(Plasma)といったプロトコルおよびブロックチェーンで展開されている。

XAUt0とは

XAUt0は、実物の金(ゴールド)に価値を裏付けられたステーブルコイン「XAUt」をオムニチェーン対応へと進化させたものだ。XAUt0は、これまでビットコインが「デジタルゴールド」と例えられてきたのに対し、物理的な裏付けを持つ「本物のデジタルゴールド」と位置づけられている。

なおXAUtは、ブロックチェーン上で金の保有や送金を容易にすることを目的にテザー社により2020年1月から発行されている。

参考:ポリゴン
画像:iStocks/Ninja-Studio

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この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

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