ポリゴンPoSに約1時間の障害発生、バリデーター離脱によるコンセンサスバグで

Polygonのコンセンサス層Heimdallが約1時間停止

ポリゴンPoS(Polygon PoS)のコンセンサス層「ハイムダル(Heimdall)」において、日本時間7月30日18:30頃に一時的な障害が発生し、チェーンの進行が1時間停止した。この障害はバリデーターのネットワーク離脱により、予期せぬバグが発生したことが原因とのこと。

ハイムダルは、バリデーターの実行やコンセンサスの維持、イーサリアムメインチェーンとの連携を担うシステムで、ポリゴンPoSネットワークの主要な2つのレイヤーのうちの1つだ。

なおポリゴンPoSのブロック生成を担う、もう一つのレイヤー「ボア(Bor)」は障害期間中も完全に稼働しており、中断なくブロックを生成し続けていた。このため、ポリゴンネットワーク上での通常のトランザクション処理は継続されていたという。

今回のコンセンサスバグは、7月10日にハイムダルが「CometBFT」および「Cosmos SDK v0.50」にアップグレードされた数週間後に発生した。このアップグレードは、ファイナリティ時間の短縮とスケーラビリティの改善を目的としたもので、ポリゴンは「ハイムダルv2」アップデートを2020年以来最も技術的に複雑なハードフォークと呼んでいる。

障害中、RPCプロバイダーがボアノード間で同期の不整合を経験したため、ユーザーやDApps(分散型アプリケーション)がネットワークの状態やトランザクションをリアルタイムで確認することが困難になった。これにより、一部のユーザーはネットワーク全体がオフラインになったと誤解したという。

ポリゴン上に構築されている大手予測市場プラットフォーム「ポリマーケット(Polymarket)」も、障害中に一時的にエラーメッセージを表示していた。しかし、ポリゴンチームは後に、バリデーターデータとチェックポイント情報が一時的にアクセス不可能だったものの、チェーン自体はトランザクション処理を停止しなかったと明言している。

開発チームは今回の障害に迅速に対応し、1時間以内に問題を特定してパッチを展開した。これにより日本時間20:01までに、ハイムダルコンセンサス層は完全に復旧している。

しかしRPCとの同期問題に関する障害が残っており、ポリゴン財団(Polygon Foundation)は現在、RPCプロバイダーと密接に協力して、残りの同期問題を解決し、すべてのユーザーの完全な利用可能性を回復させる作業を進めているとのことだ。

参考:フォーラム
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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