ジンドンがB2BとC2Cでステーブルコイン導入か
中国EC企業ジンドン(JD.com)が、世界各国でステーブルコインのライセンス取得を進める方針を同社の創業者で会長のリチャード・リウ(劉強東)氏が明らかにした。中国・北京で6月17日に行われた複数メディア向けの記者説明会にて発表された内容を中国メディア「ガンチャ(Guancha)」が6月18日に報じた。
ジンドンが進めるステーブルコインのライセンス取得は、グローバルなクロスボーダー決済の効率化を目的としているとのこと。リウ氏によれば、現行のSWIFT(国際銀行間通信協会)を介した国際送金では着金までに通常2日から4日を要するという。一方、ジンドンのステーブルコインを活用すれば10秒以内の即時送金と、決済コストの最大90%削減が可能になると説明されている。
また同氏によればステーブルコインの決済は、まずはB2B(法人間)取引から導入を進め、将来的にはC2C(一般消費者間)決済への展開も見据えているという。
既にジンドンは同社子会社のジンドンコインリンクテクノロジー(JINGDONG Coinlink Technology)を通じて、香港ドルに連動したステーブルコインのテストを今月実施しているとのこと。
なお6月12日には、アリペイ(Alipay)を運営するアントグループ(Ant Group)の国際部門アントインターナショナル(Ant International)が、香港、シンガポール、ルクセンブルクにおいてステーブルコイン発行ライセンスの申請を計画していることが、「ブルームバーグ(Bloomberg)」によって報じられている。
また米国においては、米小売大手のウォルマート(Walmart)とアマゾン(Amazon)、オンライン旅行サービスのエクスペディア(Expedia)や航空会社などが、米国で独自のステーブルコイン発行を検討していると「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」が6月13日に報じている。
参考:ガンチャ
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