EthereumとSolanaでsyrupUSDCブリッジ可能に
イーサリアム(Ethereum)上のDeFi(分散型金融)レンディングプロトコルであるメイプルファイナンス(Maple Finance)が、ステーブルコイン「シロップUSDC(syrupUSDC)」をソラナ(Solana)に導入した。メイプルファイナンスの公式ブログより6月5日に発表された。
なお「シロップUSDC」は、メイプルファイナンスのプラットフォームを通じて、機関投資家向けの固定金利・過剰担保ローンから利回りを生み出すステーブルコイン。約6.5%の利回りを提供するステーブルコインとして機関投資家向けに展開されているという。
今回の取り組みにより、「シロップUSDC」はソラナ上でネイティブに利用でき、ユーザーはソラナとイーサリアム間で同ステーブルコインをブリッジ可能になったとのこと。
さらに、メイプルファイナンスで提供されている機関投資家向け貸付商品や、利回り資産、資本効率の高い借入機能が、ソラナ上でも提供可能になったとのこと。また、ソラナ上では「シロップUSDC」を対象とした最大4倍のマルチプル(自動レバレッジ戦略)運用も利用可能となっている。
発表によると「シロップUSDC」はソラナ上で稼働するカミノスワップ(Kamino Swap)にも導入されており、3,000万ドル(約43.2億円)相当の流動性が確保されているという。これによりユーザーは、「シロップUSDC」を効率的に購入・再投資可能とのこと。
なおカミノスワップは、ソラナ上の分散型金融(DeFi)プロトコルであるカミノファイナンス(Kamino Finance)で提供されているスワップ機能だ。
またメイプルファイナンスは「シロップUSDC」の提供開始に伴い、カミノファイナンスやソラナ上のステーキングプロトコルであるジト(Jito)などのDeFiプロジェクトと、最大50万ドル(約7,200万円)相当の報酬を提供するキャンペーンも実施している。
なお「シロップUSDC」のソラナ導入は、ブロックチェーンオラクルおよびインフラプロバイダーであるチェーンリンク(Chainlink)開発のクロスチェーン相互運用プロトコル「CCIP(Cross-Chain Interoperability Protocol)」が活用されている。
「CCIP」は、パブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーンの両方にわたってアプリケーションをリンクするように設計されたクロスチェーン相互運用プロトコル。開発者は、任意メッセージングを使用して「CCIP」上に独自のクロスチェーンソリューションを構築できるだけでなく、「CCIP」は簡素化されたトークン転送も提供するという。
これにより、独自のブリッジソリューションを構築することなく、単一のインターフェイスからブロックチェーン間でトークン転送ができるという。また、ユーザーが1つのブロックチェーンに担保を預け、別のブロックチェーンで資産を借りられるようにするクロスチェーン融資アプリケーションの起動も可能とのことだ。
参考:Maple Finance
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