L1スケーリングなど新たな重点目標も発表
チーム再編に取り組むイーサリアム財団(Ethereum Foundation:EF)が、研究開発チームの一部メンバーが財団を離れることになったと、6月2日に発表した。
EFは、zkEVMの急速な進展やL2の発展により、「プロトコルの設計・開発・運営に関する現在のアプローチを再考する必要がある」と説明した。
今回の再編により、EF内の「Protocol R&D」チームを含む関係者には、より高いレベルの集中力と協力体制が求められるとし、ミッションクリティカルなコードの記述、先進的な研究の発表、大規模な取り組みの調整など、EFが強みを持つ領域に注力していくと述べた。
またEFはチーム体制の見直しに伴い、「L1のスケーリング」「ブロブ(データ可用性)のスケーリング」「UXの改善」の3つの戦略的目標を設定。それぞれの目標に対して明確な協調体制を築くことで、優先順位に沿った取り組みを加速させるとした。
この再編に伴い、一部の「Protocol R&D」メンバーがEFを離れることになったと説明。具体的な人数など詳細は明かされていないが、EFはチームを離れたメンバーが今後もイーサリアム・エコシステムで活動を続けることを願っており、他のプロジェクトチームが彼らの採用を検討するよう呼びかけている。
またEFは今回、「Protocol R&D」部門が「Protocol」として新たに再始動することを発表した。
再編後の「Protocol」チームは、イーサリアムのコア開発の中核として、アップグレードのスケジュール、技術文書、研究活動の可視性を高める役割を担うことを目指すという。
EFの共同事務局長であるシャオウェイ・ウェン(Hsiao-Wei Weng)氏は、「この新体制により、内部チームがより明確に集中し、重要なイニシアチブを推進できるようになることを期待している」と述べた。
なおEFは、4月21日に発表されたリーダーシップ体制の変更を受けて、研究開発の優先順位を再検討しており、その際にイーサリアム共同創業者ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が今後は研究に専念する方針を示していた。
The Ethereum Foundation’s R&D team structure update:
— hww.eth | Hsiao-Wei Wang (@hwwonx) June 2, 2025
We’re hopeful that this new structure will empower our internal teams to focus more clearly and drive key initiatives forward.
This also meant making some incredibly difficult decisions. Saying goodbye to talented and… https://t.co/DJHqSMt4R2
参考:ブログ
画像:PIXTA