繊維メーカー北日本紡績、暗号資産事業に参入へ、独自トークン発行やウォレット提供など視野に

北日本紡績が暗号資産事業に参入へ

石川県白山市に本社を置く東証スタンダード上場の繊維メーカーの北日本紡績が、暗号資産(仮想通貨)および RWA関連ビジネスに参入することを5月14日に発表した。

なお同社は同事業参入について同日に取締役の決議を得ているが、最終的な決定は6月30日開催予定の定時株主総会での承認が前提とのこと。事業開始は7月30日を予定しているという。

具体的な事業内容としては、暗号資産の保有、暗号資産マイニングビジネス、独自トークンの発行、Web3型ウォレットの提供、 RWA(現実資産)のトークン化、Web3型決済インフラの提供が挙げられている。

暗号資産の保有については、ビットコイン等を保有する予定で、購入の開始が始まれば継続的に運用実績を開示するという。

暗号資産マイニングビジネスでは、再生可能エネルギー等を活用したマイニング設備の構築・運用を通じて、環境負荷の低い持続可能なマイニングモデルを構築する計画とのこと。現在、国内外の事業者と協議中とのことだ。

また独自トークンの発行は、関連会社を含めた製品の購入やサービスの対価として支払いの受領や同社の支払いのためのトークン発行を検討しているという。同社では廃プラスチック事業等を行っており、廃プラスチックを買い取った際の対価の支払い手段として限定的な利用を検討しているとのこと。

そしてWeb3型ウォレットの提供では、独自トークンの保管やWeb3型決済インフラの提供等、海外サプライヤーとの取引において積極的にWeb3ウォレットを活用する方針だという。国内外提携企業を増加することであらゆるビジネス機会の創出に向けてサービス提供を予定しているとのこと。

そしてRWAのトークン化では、同社が行う廃プラスチックの回収から再生・製品化に至る工程の一部をトークン化し、資源の流通と価値を可視化するという。これにより、サプライチェーン全体の効率化・トレーサビリティを強化し、原材料コストの最適化と流通の信頼性向上を実現するとのこと。また再利用によるCO₂排出削減量を基に J-クレジット制度等を活用したカーボンクレジット創出にも取り組み、脱炭素社会の実現と資源循環型経済への貢献を両立しながら、新たな収益基盤の構築を目指すとのことだ。

これら事業については体制が整い次第、順次開示する予定とのこと。なお同事業は、新たにクリプトマネージメント部門を新設し、同部門が担当していくという。また現時点においては、同事業開始のための特別な支出はないとのこと。

北日本紡績はプレスリリースにて、ビットコインの成長性やETF承認による市場の拡大、規制整備の進展などを背景に、世界の金融は暗号資産を基盤とした新時代へと移行しつつあると述べている。同社は暗号資産関連事業について、国内ではまだ黎明期で競合が少ない今こそ好機と捉え、海外展開も視野に入れて積極的に事業を推進し、次世代金融のリーダーを目指すと伝えている。

参考:北日本紡績
画像:PIXTA

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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