USDCがWorld Chainにネイティブ対応へ
米サークル(Circle Internet Financial)発行の米ドル建てステーブルコイン「USDC」のネイティブ型トークンが、「ワールド(World)」プロジェクトによるイーサリアム(Ethereum)レイヤー2ブロックチェーン「ワールドチェーン(World Chain)」上で発行予定であることが5月1日に発表された。
「ワールド」は、AIチャットボットサービス「ChatGPT」を提供する米オープンエーアイ(OpenAI)のCEOサム・アルトマン(Sam Altman)氏らが立ち上げたプロジェクト。サークルの発表によると4月30日現在、「ワールドチェーン」エコシステムでは190万のウォレット間でブリッジ型のUSDCが流通しているという。
ネイティブ型「USDC」は、サークルが公式に発行する「USDC」であり、常に米ドルと1対1で償還が可能だ。そのため価格がドルと乖離してしまうディペグが起こる可能性が低いという特徴がある。
またサークルは、「USDC」のブロックチェーン間転送を可能にする「クロスチェーン転送プロトコル(Cross-Chain Transfer Protocol:CCTP)」のアップデート版「CCTP V2」についても「ワールドチェーン」に対応予定であることも発表している。
「CCTP」は「USDC」を転送元のチェーンで消滅(バーン)させ、転送先のチェーンで発行(ミント)する「バーンアンドミント(Burn and mint)」を採用することで、より安全に他のブロックチェーンに「USDC」を移動できる機能である。転送元でトークンをバーンさせることで転送先のトークンがネイティブになるため、トークンの総発行枚数が増加する問題を軽減している。
なお「ワールドチェーン」への「USDC」ネイティブ対応と「CCTP V2」対応の開始時期については、近日中とのことだ。
現在ネイティブ版「USDC」は、イーサリアム(Ethereum)、ソラナ(Solana)、アルゴランド(Algorand)、アバランチ(Avalanche)、ヘデラ(Hedera)、ステラ(Stellar)、ノーブル(Noble:コスモスエコシステム)、アービトラムワン(Arbitrum One)、ベース(Base)、OPメインネット(OP Mainnet)、ニア(NEAR)、ポルカドット(Polkadot)エコシステム、ポリゴンPoS(Polygon PoS)、セロ(Celo)、ズィーケーシンク・エラ(zkSync Era)、スイ(Sui)、アプトス(Aptos)、ユニチェーン(Unichain)、リネア(Linea)の19チェーン。ワールドチェーンの他、モナド(Monad)とソニック(Sonic)にも対応する予定が4月に発表されている。
また「CCTP」はV2も含め、アプトス(Aptos)、アービトラム(Arbitrum)、アバランチ(Avalanche)、ベース(Base)、イーサリアム(Ethereum)、ノーブル(Noble)、OPメインネット(OP Mainnet)、ポリゴンPOS(Polygon POS)、ソラナ(Solana)、スイ(Sui)、ユニチェーン(Unichain)、リネア(Linea)の12チェーンに対応。12×11=132のルートでネイティブ「USDC」が転送可能だ。こちらもワールドチェーンの他、ソニック(Sonic)対応が予定されている。
Native @USDC and CCTP V2 are coming soon to @world_chain_
— Circle (@circle) May 1, 2025
In the coming weeks, Circle will seamlessly upgrade World Chain’s Bridged USDC Standard implementation to natively issued USDC.
In addition, World Chain will gain support for CCTP V2, enabling faster-than-finality… pic.twitter.com/Y5ZDlvcN3V