ワールドが複数の取り組みを発表
暗号資産(仮想通貨)プロジェクトのワールド(World)が、4月30日にデーティングアプリサービス展開の米マッチグループ(Match Group)との連携や米国展開など複数の発表を行った。
「World」は、AIチャットボットサービス「ChatGPT」を提供する米オープンエーアイ(OpenAI)のCEOサム・アルトマン(Sam Altman)氏らが立ち上げたプロジェクト。アルトマン氏は、同プロジェクトの主要企業であるツールズ・フォー・ヒューマニティ(TFH)の共同創業者も務めている。
ワールドが今回連携を発表したマッチグループは、マッチングアプリのティンダー(Tinder)やヒンジ(Hinge)、オーケーキューピッド(OkCupid)、マッチ・ドットコム(Match.com)、プレンティ・オブ・フィッシュ(PlentyOfFish)、ミーティック(Meetic)、ペアーズ(Pairs)など、複数の人気マッチングアプリを展開する企業。
今回マッチグループは、ワールドプロジェクトの個人認証機能である「World ID」を日本のティンダーユーザーの年齢認証のためにテスト運用を行うとのことだ。
「World ID」は、氏名や電子メールなどの個人情報を明かすことなく自分が実在する一意の人間であることを証明できるデジタルID。取得するにはTFHが世界各所に設置する「オーブ(Orb)」と呼ばれるボール状のデバイスで虹彩をスキャンする必要がある。
マッチグループは今回の「World ID」による取り組みにあたり「私たちはユーザーのプライバシーを保護しながら、真のつながりを育む革新的な技術を探求し続けている」と述べている。
なお国内ティンダーによる「World ID」の試用開始時期については、アナウンスされていない。
米国へ展開開始などの発表も
またワールドプロジェクトは、米国市場への展開開始も同日に発表している。
発表によるとアトランタ、オースティン、ロサンゼルス、マイアミ、ナッシュビル、サンフランシスコの6都市にて「World ID」の取得が可能になったとのこと。
これにより米国ユーザーもワールドアプリ(World App)からワールドコイン(WLD)の請求が可能になったとのことだ。
また今年後半には米国向けに、ビザ(Visa)による「ワールドカード(World Card)」が利用可能になることも発表された。
同カードは、個人のワールドアプリのウォレットに直接接続され、取得し保有するWLDを現実世界のビザ加盟店での利用を可能にするという。
なお「ワールドカード」は米国以外の国での展開も検討されているとのこと。
さらにワールドアプリ内のミニアプリで、レンディングなどの分散型金融(DeFi)アクセスを提供するモルフォ・ミニアプリ(Morpho Mini App)のローンチも同日に発表されている。
そして最後に「World ID」を活用するアプリ事業者に対し、手数料が導入されることも発表された。「World ID」の手数料は、認証手数料とプロトコル手数料に分かれている。
なおエンドユーザーに対しての手数料は課せられず、引き続き無料で「World ID」は利用可能だ。
参考:ワールド1・ワールド2・ワールド3・ワールド4・ワールド5
画像:iStocks/Vit_Mar