イーサリアム次期アップグレード「Fusaka」は今年後半の実装目標、EOFは除外決定

Fusakaアップグレードは今年後半の実装か

5月7日実施予定のイーサリアム(Ethereum)の大型アップグレード「ペクトラ(Pectra)」の次のアップグレードとなる「フサカ(Fusaka)」は、今年後半となる第3四半期または第4四半期で実装するタイムラインを目指しているようだ。

イーサリアム財団(Ethereum Foundation:EF)の共同エグゼクティブディレクター(Co-ED)トマシュ・K・スタンチャク(Tomasz K. Stańczak)氏が4月28日にXにて言及した。同氏は「フサカ」のタイムラインについて、「9月または10月」とも伝えている。

「フサカ」アップグレードは、コンセンサス層(CL)のアップグレードである「フルー(Fulu)」と実行層(EL)のアップグレードである「オオサカ(Osaka)」を合わせたもの。

なお「フサカ」では、EVMオブジェクトフォーマット(EOF)を導入する議論がされていたが、4月28日に開催された開発者会議にて同提案の「フサカ」での実装は正式に除外された。

EOFは、スマートコントラクトのバイトコードに新たな構造とバージョン管理を導入する提案だ。EOFはスマートコントラクトのバイトコードを標準化された構造に封入し、バージョン管理とデプロイ時検証を導入することで、EVMの将来の拡張を容易にしつつ実行効率と安全性を高めることが目的とされており、EVMの拡張性向上やパフォーマンスと効率の改善、セキュリティと信頼性向上といった課題解決が見込まれていた。

EFのコア開発者ティム・ベイコ(Tim Beiko)氏の報告によると「フサカ」におけるEOF実装除外は、同アップグレードのスケジュール遅延や技術的な不確実性が指摘されたためだという。

ただしEOF実装自体が却下されたわけではなく、2026年以降のアップデートにてEOF実装が再提案される可能性が残されている。 

 

参考:githubEIP-7607
画像:PIXTA

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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