Astar Networkがトークノミクス最適化アップデート実施、ステーキング報酬の見直しなど

AstarがDynamic Tokenomicsを強化

アスターネットワーク(Astar Network)で、ネットワーク上の利用状況に応じて、独自トークン「アスター(ASTR)」の発行量が調整される「ダイナミック・トークノミクス(Dynamic Tokenomics)」モデルのアップデートがガバナンス提案を通じて実施された。アスターネットワークの公式ブログで4月18日に発表された。

アスターネットワークでは2023年に、従来の「固定インフレ」モデルから「ダイナミック・トークノミクス」モデルへと移行。今回のアップデートでは、ステーキング報酬の再調整、dApp(分散型アプリケーション)ステーキングの安定性強化、インフレ制御メカニズムの改善といった、トークノミクスの持続可能性と柔軟性を高める改善策が含まれている。なおdAppステーキングは、開発者に資金提供する仕組みである。

発表によればアップデート後の年間インフレ率は4.32%と、従来の4.86%から低下。ブロックあたりの発行量も153.95ASTRから136.67ASTRに削減された。またASTRの発行量の見直しに伴い、ステーカーへの固定報酬(BaseStakersPart)の配分割合は25%から10%に引き下げられ、APR(年利)の過度な上昇と変動が抑制される設計となっている。

同時に、dAppステーキングの報酬配分(AdjustableStakersPart)を40%から55%へと増加。これによりネットワークへの参加が活発化した際にも、dAppステーキングのAPRはより予測可能かつ安定した水準で推移する見込みだ。

さらに、ネットワークにおける最低インフレ率として2.5%が新たに設定され、過度なASTRの発行量の減少を回避しつつ、持続的な報酬が維持されるよう設計されている。

なお今回のアップデートは、dAppステーキングを通じて開発者やビルダーに支払われる報酬には影響がないという。また、開発者向け報酬プログラムである「ビルドトゥアーン(Build2Earn)」の報酬配分も変更されないとのことだ。

今月7日には、チェーンリンク(Chainlink)が提供するデータフィードおよびクロスチェーン相互運用プロトコル「CCIP(Cross-Chain Interoperability Protocol)」の活用により、ASTRがイーサリアム(Ethereum)上で取引可能になったことが発表されている。

これによりASTRは、イーサリアム上の大手DEX(分散型取引所)ユニスワップ(Uniswap)にて取引可能となった。

また今回のアップデートの発表前は約0.0263ドル(約3.74円)だったASTRの価格は、一時約0.0277ドル(約3.94円)まで上昇した。なお記事執筆時点(4月21日15:00)では約0.0274ドル(約3.84円)となっている。

参考:アスターネットワークコインマーケットキャップ
画像:PIXTA

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一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
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