Napier Labs、モジュラー利回りトークン化プロトコル「Napier Finance v2」リリース

「Napier Finance v2」がリリース

DeFiプロジェクト「ネイピアファイナンス(Napier Finance)」の主要開発元であるネイピアラボ(Napier Labs)が、新プロトコル「ネイピアファイナンスv2(Napier Finance v2)」の正式ローンチを3月18日に発表した。

「ネイピアファイナンス」は、利回りつきトークンの利回りを、元本から分離したトークンとして取引可能にする「利回りのトークン化」を行うプロトコル。具体的には「LST(Liquid Staking Token)」のような利回り付きのトークンを、元本部分である「PT(Principal Token)」と、利回り部分である「YT(Yield Token)」に分離し利回りの取引を可能にする。

ネイピアラボによると、今回リリースされた新バージョンはB2B2Cモデルであり、プロトコルを使用することで誰でもキュレーターとして「利回りのトークン化」を使用した市場を構築可能とのこと。

キュレーターは自身の提供する利回り製品の所有権を有し、ユーザーの需要に応じた独自の利回り資産の提供が可能になる。また提供する利回り製品から手数料収入の受け取りも可能だ。そのため新バージョンでは、「既存の企業やプロジェクトがプロトコルを通して利回り製品を作成して提供する」といったユースケースも想定されている。

なおリリース時点でv2は、11のEVM互換のブロックチェーンで利用可能となっている。またキュレーターやDeFiプロジェクト、ブロックチェーンを含めた50以上のローンチパートナーと共にv2はローンチされた(下記参照)。

さらにv2リリースと同時に報酬プログラム「ネイピアポイントプログラム」が実施されている。同プログラムでは、キュレーターとしてマーケットを作成するだけでなく、市場の参加者に対しても報酬としてポイントが付与される。ポイントは、「ネイピアファイナンス」の独自トークンである「NPR」の総供給量の15%を割り当てるエアドロップに使用されるとのことだ。ポイントの配布量は、エコシステムの成長に応じて自動で調整されるようになっており、リリースから初めの1週間は合計1 億ネイピアポイントが割り当てられるという。

ネイピアラボは以前、ソーシャルプログラム「ラマレース(Llama Race)」と題したポイント配布プログラムを実施していたが、v2プロトコルの準備に向けて一時停止していた。以前発表されたブログによると以前獲得したポイントも今回開催されたポイントプログラムでも維持されるとのことだ。

なおネイピアラボは、日本人起業家の小副川祐輔氏が起業したドバイ拠点の企業だ。

Napier Finance v2の対応チェーンおよびローンチパートナー

「ネイピアファイナンスv2」の対応チェーンは、イーサリアム(Ethereum)、OPメインネット(OP Mainnet)、BNBチェーン(BNB Chain)、ポリゴン(Polygon)、ソニック(Sonic)、フラクタル(Fraxtal)、ハイパーEVM(HyperEVM)、マントル(Mantle)、ベース(Base)、アービトラムワン(Arbitrum One)、アバランチ(Avalanche)となっている。

そしてローンチパートナーは以下の通り。

  • Curator:MEV Capital、Re7 Labs、Apostro、Tulipa Capital、9Summits、Alterscope、Maven 11、Tanken Capital、DeFimans、Nest Credit、Curve DAO、Yearn DAO、Euler DAO、Dinero、Frax DAO、Etherfi、PumpBTC、Renzo、ListaDAO、Superform、Reserve、Inverse、Avalon Labs、StakeStoneなど
  • Lending and Borrowing:Morpho、Euler、Silo
  • (Re)staking:Mellow、Dinero、Inception
  • Vault:Yearn、Veda、IPORなど

参考:ネイピアラボブログ
画像:iStocks/your_photo

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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