コインベースが米国初の終日取引可能な先物提供へ、長期満期型の永久先物も計画

Coinbaseが米国初の終日取引可能な先物提供へ

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が、米国初となる24時間365日取引可能な先物取引を近日中に提供予定であることに加え、長期満期型パーペチュアル取引(永久先物)の提供も計画していると3月10日に発表した。ビットコイン(BTC)およびイーサリアム(ETH)を取り扱い、24時間取引が可能になるとのこと。

この先物取引および長期満期型パーペチュアル取引は、米商品先物取引委員会(CFTC)の規制下であるコインベース傘下のデリバティブ取引所「コインベースデリバティブ(Coinbase Derivatives)」が提供するという。

これまで米国の先物市場は、固定された取引時間のもとで運営されており、24時間取引が可能な暗号資産市場と連動していなかった。そのため、投資家は重要な市場の変動時に取引ができず、リアルタイムでの対応が制限されていた。

また米国の個人投資家および機関投資家は、同国の規制上の理由から、海外取引所が提供するパーペチュアル取引を自由に利用できない状況にあった。

しかし「コインベースデリバティブ」が提供する先物取引では、これらの投資家が市場の公開を待つことなく取引を行えるとのことだ。また個人投資家向けの小規模な契約から、機関投資家向けの大規模な契約まで提供される予定だという。

そして長期満期型のパーペチュアル取引においては、グローバル市場で主流となっているパーペチュアル取引に近い取引形態を米国で実現するとのこと。

これにより米国の投資家は、短期間の先物契約に縛られることなく、長期的な戦略を展開しやすくなるという。さらに海外取引所が提供するパーペチュアル取引を利用していた米国の投資家は、米国内で規制に準拠した形で長期満期型のパーペチュアル取引が可能になるとのこと。

なおパーペチュアル取引とは、現物と先物、CFD(差金決済取引)の特徴を併せ持つデリバティブ取引である。従来の先物取引では契約時に決済満期日と、その日にいくらで売買するのかを決定するが、パーペチュアルには限月が無く、無期限に建玉を保持することが可能だ。

なおコインベースは、CFTC規制下のデリバティブ清算機関(DCO)である「ノーダルクリア(Nodal Clear)」と提携し、CFTC規制に準拠した清算機能を確保しているとのこと。これにより、コインベース傘下の先物取引業者「コインベースフィナンシャルマーケッツ(Coinbase Financial Markets)」は、取引開始時からシームレスな市場アクセスを提供するとのことだ。

参考:コインベース
画像:iStock/b14ckminus

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この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

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