Polygon Labs、「AggLayer v0.2」をメインネットで稼働開始

Polygon Labsが「AggLayer v0.2」を発表

ポリゴンラボ(Polygon Labs)が、「アグレイヤー v0.2(AggLayer v0.2)」のメインネット稼働開始を2月3日に発表した。

「アグレイヤー v0.2」は「アグレイヤー(AggLayer)」のアップグレード版となる。「アグレイヤー」は、ブロックチェーンを統合したネットワークの構築を目的としたアグリゲーションレイヤープロトコル。ゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zkp)の使用により、同プロトコルへ接続したL1チェーンやL2チェーンを単一のブロックチェーンを操作しているように感じられるほどシームレスに接続する。

「アグレイヤー」ではこれまで「ポリゴン CDK(Polygon Chain Development Kit)」で構築されたチェーンのみが安全に接続できた。しかし今回のv0.2アップグレードでは、「ペシミスティック・プルーフ(Pessimistic Proofs)」により柔軟性が向上し、異なるセキュリティモデルのチェーンとも接続可能になったとのこと。

「アグレイヤー」は、イーサリアム(Ethereum)に接続された単一の統合ブリッジを通じて複数のチェーンをつなぎ、これによりラップドトークンを使用せず、ネイティブ資産をそのまま異なるチェーン間で移動可能だ。

しかし、統合されたネットワークが拡大するにつれ、クロスチェーン取引のセキュリティを保証する仕組みが必要になる。この課題を解決するための仕組みが、先に述べた「ペシミスティック・プルーフ」であるとのこと。

「ペシミスティック・プルーフ」は、「アグレイヤー」に接続された各チェーンについて「チェーンが正しく更新されていること」、「チェーン内での会計処理が正しく行われていること」、「すべてのチェーンが正しい会計処理を実行していること」、以上3つの重要な情報を検証し、証明を生成する仕組みであるという。このようにして各チェーンを調べることで、ブリッジから預け入れられた金額以上の金額を引き出そうとしないよう確認するとのこと。

この仕組みにより、1つのチェーンが問題を起こした場合でも、他のチェーンや統合されたネットワーク全体に影響を与えることはない強固なセキュリティモデルを実現しているという。

またこれにより、「アグレイヤー」は特定のブロックチェーンの技術に依存せず、さまざまな異なるアーキテクチャを持つブロックチェーンと柔軟に接続できるようになるとのこと。

さらに今回の発表によると、次のアップグレードとなる「アグレイヤー v0.3(Agglayer v0.3)」は、2025年第1四半期末までにリリース予定であるとのこと。

「アグレイヤー v0.3」では、EVM(イーサリアムヴァーチャルマシン)チェーンが「アグレイヤー」へ接続し、「アグレイヤー」を経由した接続のための「完全なマルチスタック機能」が導入されるという。

なお「ポリゴンCDK」は、ポリゴンラボが提供するオープンソースのブロックチェーン開発キット。イーサリアム上にゼロ知識証明を利用した独自のレイヤー2ブロックチェーン構築を容易にするために開発された。

参考:ポリゴンラボ
画像:iStocks/Mertsaloff

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田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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