【正式発表】ソニー銀行がステーブルコインの実証実験を検討開始、「Polygon PoS」採用

ソニー銀行がステーブルコインの実証実験を検討開始

ソニー銀行が、ステーブルコイン発行を目指した実証実験の検討開始を4月8日に正式発表した。

発表によるとこの実証実験は、ポリゴンラボ(Polygon Labs)とセトルミント(SettleMint)と共同で実施するとのこと。

ソニー銀行がステーブルコインの発行に向けた法的整理や要件定義を実施し、ブロックチェーンにはポリゴンラボ開発の「Polygon PoS」を採用。またブロックチェーン関連の多様な開発実績を持つセトルミントが実証実験の基盤の開発・構築を担うとのことだ。

今回検討開始した同実証実験では、ブロックチェーンの技術を用いたステーブルコインの発行・償還・流通のしくみの構築および検証の実施をするという。

また同実証実験では、本人確認などの観点で「ゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zkp)」の活用も検討しているとのこと。「銀行自身のリスクベース・アプローチの帰結として、不正な資金利用への対策は十全に尽くしつつ、安心安全で利便性の高いステーブルコインの発行・流通市場の拡大を企図するもの」と説明されている。

なお「ゼロ知識証明」とは、ある主張が正しいという事実を主張内容を明かすことなく、第三者に証明できる暗号学的な手法の一つだ。

ソニー銀行は今年3月、web3エンターテインメント領域向けスマートフォンアプリ「Sony Bank CONNECT(ソニーバンク・コネクト)」を今夏にリリースする事を発表していた。

同アプリは、web3におけるクリエイター・ファン層で構成される経済圏の拡大に向けてリリースが予定されている。現在同アプリでは、ブロックチェーンを基盤としたウォレット機能のリリースに向けた要件定義や設計を進めているという。

今回検討開始が発表された、ステーブルコインについても「Sony Bank CONNECT」との連携を見据えて検討実施をするとのことだ。

なおソニー銀行では、ブロックチェーンを活用したデジタル証券(セキュリティトークン:ST)のサービスを取り扱っている。

同行は昨年6月に、三井物産デジタル・アセットマネジメント(MDM)運営のデジタル証券サービス「ALTERNA(オルタナ)」で提供されているSTを同行が委託される形で、提供を開始している。

なお「ALTERNA」のシステム基盤には、各種デジタルアセットの発行・管理基盤「Progmat(プログマ)」が用いられている。なおSTを発行・管理する「プログマST」には、米R3社開発のエンタープライズ向けブロックチェーン「Corda(コルダ)」が採用されている。

また今年3月にソニー銀行は、「米ドル建てグリーンファイナンスセキュリティトークン」の募集取扱いを開始。同商品には、Securitize Japan(セキュリタイズジャパン)提供のもと、エンタープライズ向けのプライベート/コンソーシアム型ブロックチェーン基盤「クオーラム(Quorum)」が採用されている。

なお外貨建てのSTの公募による募集の取扱いは、国内銀行としては初の事例になると発表されていた。

今回の実証実験に参加するセトルミントは、ローコードでブロックチェーンシステムを開発できるクラウドサービス「Blockchain Transformation Platform」を提供するベルギーのスタートアップ企業。同社が2022年に1600万ドルを集めたシリーズAの資金調達ラウンドには、国内企業として富士通ベンチャーズが参加している。

関連ニュース

参考:ソニー銀行
images:iStocks/Lidiia-Moor

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【7/26話題】メタプラネットが「Bitcoin Magazine Japan」の独占運営権、ビットフライヤーがFTX Japanの買収完了など(音声ニュース)

メタプラネット、「Bitcoin Magazine」日本版の独占ライセンス取得、SBI、フランクリン・テンプルトンと日本での共同出資会社設立を正式発表、ビットフライヤー、FTX Japanの買収完了、「Jito」、ステーキングプラットフォーム「ジトリステーキング」のコード公開、英FCAがコインベース傘下のCBPLに強制執行、約450万ドルの罰金課す、米ジャージーシティ、年金基金をビットコインETFに投資へ、マイニングの米マラソンデジタルが1億ドル相当のビットコイン購入、完全HODL戦略を採用、クロスチェーンプロトコル「deBridge」、ガバナンストークンDBR発行へ

Sponsored

【7/25話題】SBIが「ビットコイン現物ETF」取り扱い準備か、DEAと東京電力らがDePINの「ピクトレ」を東京で実証試験へなど(音声ニュース)

SBIがビットコイン現物ETF取り扱い準備か=報道、DEAと東京電力らがDePINコンテンツ「ピクトレ」、東京都の3区で実証試験へ、京東コインリンク科技、香港ドルにペッグのステーブルコイン発行予定と発表、フェラーリが暗号資産決済システムを欧州にも拡大、米国での導入に続き、NTTデジタルとマツモト、卒業アルバムにブロックチェーン活用へ、タイ、デジタル資産配布の登録受付を8月1日から開始。デジタルウォレット政策一環で、農産業のRWAマーケットプレイス「Agridex」、ソラナ上で初の農業取引を決済=報道