米SECのピアーズ委員、暗号資産タスクフォースの取り組みを概説

証券法における暗号資産の位置づけ明確化

米証券取引委員会(SEC)のヘスター・ピアーズ(Hester M. Peirce)委員が、同氏率いる暗号資産(仮想通貨)の規制体系を整備するための専門チーム(タスクフォース)の取り組みについて2月4日概説している。

ピアーズ委員は概説の中で、タスクフォースが取り組む10項目の優先事項を挙げている。

ピアーズ委員は、すでにSECは「職員会計公報121号(SAB121)」を撤回したが、まだまだやることはたくさんあると述べている。

「SAB 121」は2022年3月にSECが発表した指針だ。このガイドラインは、暗号資産のカストディを行う機関に対し、暗号資産の保有額を貸借対照表上の負債として記録するよう求めており、各所で物議を醸していた。

規制上の問題を解決するために、証券法における暗号資産の位置づけを明確にすることが必要だとピアーズ委員は述べ、現在タスクフォースは、様々な暗号資産の調査を行っていることを報告した。

またタスクフォースは、発行体による暗号資産やトークン提供に対し、特定の条件を満たせば過去および将来に対する一時的な救済措置を受けられることを検討しているという。

救済措置の条件としてピアーズ委員は、発行体らが、指定された情報を開示し、その情報を最新かつ正確な状態に保つことを挙げた。また、暗号資産売買に関連して詐欺の訴訟が起きた時に、SECの管轄権に異議を唱えないことに同意することも挙げている。

ピアーズ委員は、こういった条件を満たして発行されるトークンは非証券とみなされるとしている。

またピアーズ委員は、タスクフォースは暗号資産業界におけるプロダクトやサービスの提供を可能にする規制の構築に取り組むと報告している。

さらにピアーズ委員は「私たちは、嘘つきや詐欺師、ペテン師を許さない」と述べ、「タスクフォースがこの規制枠組みの策定を支援するにあたり、詐欺防止策については慎重に検討する。もし委員会が管轄外の詐欺行為を発見した場合は、姉妹機関である規制当局にその問題を委ねられる。また、いずれの規制当局の管轄にも該当しない場合は、委員会がその問題を議会に提起できる」と続けている。

なお、ピアーズ委員は、自身はタスクフォースの責任者だが、今回述べたことはSEC委員としての個人的な見解だとしている。

参考:SEC
画像:Reuters

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