ソラナ(SOL)の手数料モデル変更が承認、バリデーター報酬が向上へ

ソラナの手数料モデル変更が承認

レイヤー1ブロックチェーン「ソラナ(Solana)」ネットワークの手数料モデル変更を提案する「SIMD-0096」が5月28日に賛成多数で可決された。

この提案は、ソラナネットワークのバリデーターが同ネットワークの優先手数料を全て受け取るように仕組みを変更するものだ。従来は優先手数料のうち50%をバーンし、残りをバリデーターが受け取る仕組みであったため、バリデーターはより多くの報酬を受け取ることになる。

なお優先手数料とは、トランザクションを送信する際に優先して処理されるように上乗せされた手数料のことだ。

「SIMD-0096」をフォーラムに提案したtao-stones氏によると、現在トランザクションの送信者が優先してトランザクションを処理してもらうことを目的に優先手数料に加えて直接バリデーターに手数料を支払うような仕組みが横行しており、同提案はこれを軽減できるとのことだ。

そのためこの提案が実装されれば、バリデーターの動機付けを強化し、セキュリティおよびネットワークの効率強化が期待されている。また優先手数料が以前より減少することも予想されている。

同提案は77.8%の賛成率で可決したものの、反対意見も少なくない。今回の提案が可決されることはソラナのバーンメカニズムが廃止されることを意味するため、SOLの流通量が増加しインフレを引き起こす可能性があるためだ。

しかし実際にはインフレ率への影響は0.2%ほどに留まるという試算も出ており、大きな影響はないともいわれている。

ソラナでは先日、同チェーンのトランザクション処理速度の低下問題修正に向けたクライアントソフトウェアが公開された。問題発生当初、ソラナネットワークでは約75%のトランザクションがバリデーター提出される前に失敗していたことが確認されていた。しかしソラナエコシステムのほかの企業も尽力したこともあり、現在ではこの問題はほとんど解決している。

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参考:ソラナフォーラム
images:iStocks/namaki

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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