SBI VCトレード、トラベルルールソリューション「Sygna」に続き「Trust」導入を計画

SBI VCトレードが「Sygna」に続き「Trust」導入へ

国内暗号資産(仮想通貨)取引所SBI VCトレードは、現在利用しているトラベルルールソリューション「Sygna Hub」に加え、「TRUST」の導入を計画しているようだ。SBI VCトレード代表取締役社長である近藤智彦氏が1月1日にXにて明らかにした。

近藤氏によるとこの計画は、2024年前半に実施する主な取り組みの一つとして紹介されており、他にも銘柄追加やUI改善、暗号資産信託、大阪・関西万博向けサービス開始についても触れられている。

なお「トラベルルール」とは、「利用者の依頼を受けて暗号資産の送付を行う暗号資産交換業者は、送付依頼人と受取人に関する一定の事項を、送付先となる受取人側の暗号資産交換業者に通知しなければならない」というルール。このルールは、FATF(金融活動作業部会)が、マネーロンダリング及びテロ資金供与対策についての国際基準(FATF基準)において、各国の規制当局に対して導入を求めていたもので、日本においては昨年6月に開始した。

これにより各取引所は、トラベルルール対応ソリューションを利用して、暗号資産の移転関連情報の通知事項を出金先の暗号資産交換業者へ送付することになった。しかし「異なる通知システムを採用している場合」は国内の取引所間であっても暗号資産の相互送金ができない状況が発生している。

これによりユーザーは、異なるトラベルルール対応ソリューションを利用する取引所へ暗号資産を移したい場合、一度メタマスク(Metamask)などのweb3ウォレットを介して送金を行う必要がある。

なお現在国内の暗号資産交換業者では「Sygna Hub」と「TRUST」、そして「グローバル・トラベル・ルール(Global Travel Rule:GTR)」の3つのトラベルルール対応ソリューションが利用されている状況だ。

「TRUST」についてはビットフライヤー、コインチェック、クリプトガレージが採用しており、「GTR」はバイナンスジャパン、「Sygna Hub」はその他の取引所となるSBI VCトレードやGMOコイン、ビットバンクなどが採用している。

つまりSBI VCトレードが「TRUST」を追加導入することで、ビットフライヤー、コインチェックといった多くのユーザーを抱える国内取引所との暗号資産の相互送金が可能になるため、SBI VCトレードはこれら取引所からユーザーを取り込むことも可能となる。

なお今回近藤氏は、2024年前半での取り組みについて「USDCの早期取扱」についても触れている。同氏によるとUSDCのサービス形態は、「SBIVCのUI上で他の暗号資産と同様に売買・入出庫が可能としたいと考えている」とのこと。またUSDC対応のブロックチェーンも「しっかり選定していきたいと思います」と近藤氏はコメントをしている。

SBI VCトレードは昨年11月、USDCの取り扱い予定を発表している。なお日本国内でステーブルコイン(電子決済手段)を業として取り扱うためには、改正資金決済法で新設された「電子決済手段等取引業」のライセンスを仲介者が取得することが前提となっているため、同取引所でのUSDC取り扱いはこのライセンスの取得をもって行われる予定だ。

関連ニュース

images:iStock/artsstock

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

アニモカとランボルギーニ、デジタルカーを売買・所有できるプラットフォーム「Fast ForWorld」立上げ

香港拠点のブロックチェーンゲーム開発企業アニモカブランズ(Animoca Brands)が、伊高級スポーツカーメーカーのランボルギーニ(Automobili Lamborghini)と提携し、ランボルギーニの車両をデジタルアセットとして売買および所有できるゲーム体験プラットフォーム「ファストフォーワールド(Fast ForWorld)」の立ち上げを10月2日発表した

【10/3話題】Aptos Labsがハッシュパレット買収、OKJはPLTのAPTに引換え全面サポート、メタプラネットがBTCプット売りなど(音声ニュース)

Aptos Labsがハッシュパレット買収、PLTはAPTに引き換えでELFはアプトス上に移行、OKJがパレットトークン(PLT)のアプトス(APT)引き換え全面サポート、ビットフライヤーは取扱い継続不可のリスク報告、メタプラネットがビットコインのプットオプション売却、プレミアム収入で23.97BTC獲得、米SEC、リップル裁判で控訴。最高裁判例や証券取引法に抵触を理由に、ビットワイズ、米SECに「XRP現物ETF」のS1申請書を提出、FTXが55億円相当の「ワールドコイン(WLD)」を割引価格で売却へ、債権者への資金返済で=報道、SBI VCトレードにニアー(NEAR)上場へ、国内3例目、ステーキングも対応、スイ(SUI)、トークンブリッジ機能「Sui Bridge」のメインネット稼働開始

クリスティーズ、アート作品130点以上にデジタル所有証明書発行、Base採用で

大手アートオークションハウスのクリスティーズ(Christie’s)が、イーサリアム(Ethereum)レイヤー2ブロックチェーン「ベース(Base)」上で、アート作品に対するデジタル所有証明書を発行する。この証明書の発行をする 「ベース」基盤の暗号資産ウォレット「クレサス(Kresus)」が10月3日発表した

OKJがパレットトークン(PLT)のアプトス(APT)引き換え全面サポート、ビットフライヤーは取扱い継続不可のリスク報告

アプトスラボ(Aptos Labs)のハッシュパレット(HashPalette)買収による「パレットトークン(PLT)」の「アプトス(APT)」への引き換え発表を受け、国内暗号資産(仮想通貨)取引所OKJ(オーケージェー)が「全面的なサポート」をすると10月3日発表した