米SEC、リップルCEOと会長への提訴取り下げる

「馬鹿げた芝居」は終わりとリップルCEO

米証券取引委員会(SEC)が、米リップル(Ripple)社のCEOであるブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)氏と共同創設者で会長のクリス・ラーセン(Chris Larsen)氏に対する提訴を取り下げた。リップル社が10月19日発表している。

ガーリングハウス氏は発表にて、「3年近くにわたり、クリスと私は、政治的意図を持った不正な規制当局からの根拠のない主張の対象になってきた。SECがクリスと私に対する彼らの馬鹿げた芝居の幕を下ろした今、私たちはこの章が完全に幕引きとなる日を心待ちにしている」と述べている。

ガーリングハウス氏とラーセン氏は2020年12月23日、2013年から暗号資産(仮想通貨)リップル(XRP)は有価証券として登録されるべきだったとしてSECより提訴されていた。これがきっかけとなり、現在まで続くリップル裁判が始まっている。訴訟にてSECはリップル社が2013年からの7年間でXRPを販売し、約13億ドル(※当時のレートで1,300億円超)の資金を得たとして提訴。リップル社はXRPはクロスボーダー決済を促進させるために開発された通貨であると主張し、暗号資産業界と規制当局の間で大きな争点になっていた。

7月13日には、「リップル社によるXRPの機関投資家向けの販売スキームは未登録証券募集にあたるが、個人向けに販売されるXRPは有価証券ではない」との判決が下され、リップル社は部分的にではあるものの同裁判において勝利を収めている。

SECはこの判決を不服とし、中間控訴を求めたが、米ニューヨーク連邦地裁のアナリサ・トレース(Analisa Torres)判事はこの申し立てを法的根拠が提示できていないとして10月3日に棄却している。

またリップル社は、SECの誤った権力追求によって生み出された規制の不確実性と混乱のせいで、暗号資産の技術イノベーションは米国から海外流出していると主張。現在リップル社のビジネスの90%近くは米国外で行われており、雇用は主要な国際市場に集中していると明かした。また2023年第3四半期には、リップル社の雇用の90%近くが米国外で行われているという。

 

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参考:リップル社
デザイン:一本寿和
images:iStocks/ablokhin

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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