リップル裁判に対する米SECの中間控訴が棄却、法的根拠未提示により

中間控訴は棄却

米ニューヨーク連邦地裁のアナリサ・トレース(Analisa Torres)判事は、米証券取引委員会(SEC)による米リップル(Ripple)社に対する訴訟で申し立てている中間控訴を棄却した。10月3日の判決文書にて明らかとなった。

SECは8月9日、同訴訟の担当判事であるトレース判事に中間控訴申立てを認めるよう求める書簡を提出していた。

今回の判決文書によれば、SECには支配的な法律問題があること、そしてSECが「XRPへの投機的動機がリップル社らの経営努力に由来するものであるという証拠」や「リップル社の販売促進資料がより広く一般に配布されたという証拠」などといった見解の相違についての法的根拠を提示できなかったため、トレース判事はSECの申し立てを却下したという。

またトレース判事は、SECが「見解の相違を示す実質的な根拠」を示す責任を果たしていないとも指摘している。

なおSECはこの判決に対し、2023年12月4日までに制限付き申し立てを提出できるとのこと。またこの制限付き申し立てに対する反対意見は2023年12月18日までに提出することが認められている。

トレース判事は7月13日、「リップル社によるXRPの機関投資家向けの販売スキームは『ハウィーテスト』の条件を満たすため未登録証券募集にあたるが、個人向けに販売されるXRPは有価証券ではない」という判決を下している。

これはSECの「リップル社がこれらの機関投資家向け販売で約7億2890万ドル(約1,003億円)のXRPを販売した」という申し立てを一部認めた形となった。

中間控訴の申し立てにてSECは、リップル裁判の判決は「リップル社のような発行者が暗号資産取引プラットフォーム上で、あるいは現金以外の対価で投資契約を提供・販売したとされる、当地裁における多くの案件を含む様々な係争案件」に影響を与える可能性があると訴えていた。

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参考:判決文書
デザイン:一本寿和
images:iStock/gopixa

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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