米SECがリップル裁判で中間控訴へ、判決不服とし

判決は再審理されるべき

米証券取引委員会(SEC)が、米リップル(Ripple)社に対する訴訟で中間控訴を求めているようだ。元連邦判事で弁護士のジェームス・K・フィラン(Jamse K. Filan)氏がX(旧ツイッター)にて8月10日ポストしている。

SECは8月9日、同訴訟の担当判事である米ニューヨーク連邦地裁のアナリサ・トレース(Analisa Torres)判事に対し、控訴申立てを認めるよう求める書簡を提出。書簡でSECは、同判事が7月13日に下した判決は控訴裁判所にて再審理されるべきだとの見解も示している。

同書簡でSECは、リップル裁判の判決は、SECの証券法執行に関わるプログラム上の懸念事項だと指摘。また「リップル社のような発行者が暗号資産取引プラットフォーム上で、あるいは現金以外の対価で投資契約を提供・販売したとされる、当地裁における多くの案件を含む様々な係争案件」に影響を与える可能性があると訴えている。

なおSECは現在、大手暗号資産(仮想通貨)取引所のコインベース(Coiebase)およびバイナンス(Binance)をはじめ、複数の暗号資産関連企業と法廷争いを繰り広げている。

陪審員裁判の日程に影響する可能性も

トレース判事は8月8日、ニューヨーク南部地区での陪審員裁判を2024年第2四半期に予定していると報告。なお同裁判は、リップル社のCEOのブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)氏と共同創設者で取締役会長のクリス・ラーセン(Chris Larsen)氏に対し、数億ドル相当のXRPを購入した機関投資家に対する違法な証券販売についての責任を問うものだ。

SECは今回の書簡にて、SECによる控訴の可能性が検討・保留される間は、同裁判手続きも保留するよう求めている。

SECが控訴するには、ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所の承認、及び控訴裁判所の承認が必要となる。

SECによれば、中間控訴が認められれば、この2つの承認を得ずとも済むとのことだ。

SECは書簡にて、控訴開始書面を2023年8月18日に提出し、被告の異議申し立て期限を2023年9月1日とするスケジュールを提案。なおそれに対するSECの回答期限は2023年9月8日を予定しているとのことだ。

リップル裁判について

リップル裁判は、2020年12月23日にSECがリップル社及び同社CEOのブラッド・ガーリングハウス氏、共同創設者のクリス・ラーセン氏を提訴したことから始まった裁判で、最近まで争われていた。SECはリップル社が2013年からの7年間で有価証券として未登録の暗号資産リップル(XRP)を販売し、約13億ドル(※当時のレートで1,300億円超)の資金を得たとして提訴。リップル社はXRPはクロスボーダー決済を促進させるために開発された通貨であると主張し、暗号資産業界と規制当局の間で大きな争点になっていた。

なおこの裁判は、7月13日判決が出ている。判決は「リップル社によるXRPの機関投資家向けの販売スキームは『ハウィーテスト』の条件を満たすため未登録証券募集にあたるが、個人向けに販売されるXRPは有価証券ではない」というもの。これはSECの「リップル社がこれらの機関投資家向け販売で約7億2890万ドル(約1,003億円)のXRPを販売した」という申し立てを一部認めた形となった。

同判決は、暗号資産取引所を通じて販売されたXRPは証券にあたらないことを決定づけるものとなった。そのため、業界では「リップル社の勝利」として祝福の声が上がっていた。

この判決に対し、SECのゲイリー・ゲンスラー(GaryGensler)委員長は「失望している」と述べ、判決を不服とし、控訴を示唆していた。

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デザイン:一本寿和
images:Reuters

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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