米マスターカード、異なるブロックチェーンにラップしたCBDCのNFT購入実証を報告

トークン化したCBDCでNFTの購入成功

決済大手マスターカード(Mastercard)が、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を異なるブロックチェーン上でのトークン化(ラップ)を可能にする新たなソリューションの機能実証に成功したと10月12日発表した。

この実証は、オーストラリア準備銀行(RBA)と同国のデジタル金融協力研究センター(Digital Finance Cooperative Research Centre:DFCRC)によるCBDCパイロットプロジェクトの一環として行われたという。

このCBDCパイロットプロジェクトは、オーストラリアにおけるCBDCの潜在的なユースケースを探るものであり、オーストラリアの家庭や企業に革新的な決済サービスを提供するためにCBDCがどのように利用可能かをテストするものだという。

今回の実証では、KYC(本人確認手続き)を通過し、リスク査定を受けた権限を持つ関係者のみが参加権限を持ち、CBDCの保有・使用・換金の方法をテストしたという。

そして同ソリューションにより、パイロット版CBDCの保有者はイーサリアムのパブリック・ブロックチェーンに上場されているNFTを購入できたとのことだ。

マスターカードによれば、「このプロセスは、RBAのパイロット版CBDCプラットフォーム上で必要な量のパイロット版CBDCを『ロック(預ける)』し、イーサリアム上で同量のラップ(トークン化)されたパイロット版CBDCトークンをミント(発行/鋳造)した」とのこと。

また、テスト取引の前提条件は、買い手と売り手のイーサリアムウォレットとNFTマーケットプレイスのスマートコントラクトがプラットフォーム内で「許可リストに登録」されていることだったという。

これにより、ラップされたパイロット版CBDC以外のトークン転送がブロックされたことで、パブリック・ブロックチェーン上であってもプラットフォームが制御機能を実装できることが実証されたとのこと。

なお今回の実証に使用された新たなソリューションは、豪決済ソリューション提供企業クスカル(Cuscal)及びNFTマーケットプレイスのミントブル(Mintable)との提携により開発されたとのことだ。

マスターカードのオーストラリア部門責任者のリチャード・ウォーマルド(Richard Wormald)氏は「このテクノロジーは、消費者の選択肢を広げる可能性を秘めているだけでなく、パブリックネットワークとプライベートネットワークが協力することで、デジタル資産分野で真のインパクトをもたらす新たな機会を解き放つことができる」とコメントしている。

マスターカードは6月、ブロックチェーン技術による決済・コマースアプリのための一連の基本機能「マルチトークンネットワーク(Multi Token Network)」を始動。今回の実証実験でもこの機能を活用していたとのこと。

これにはブロックチェーン技術での取引の信頼性を高め、取引をより便利にする取り組みの「マスターカードクリプトクレデンシャル(Mastercard Crypto Credential)」が含まれているという。

マスターカードは8月、CBDCについての理解を深めるため、ブロックチェーン及び決済技術プロバイダーら7社とパートナーシップを締結し、CBDCに関するプログラムを結成すると発表していた。

CBDCプログラムの初期メンバーには、フィンテック企業の米リップル(Ripple)、デジタル資産カストディの米ファイヤーブロックス(Fireblocks)、web3ウォレットのメタマスク(MetaMask)を提供する米コンセンシス(Consensys)、デジタル・アイデンティティ技術プロバイダーのイデミア(Idemia)、トークン化資産のソリューション・プロバイダーのフルエンシー(Fluency)、デジタル・アイデンティティ・コンサルタントの英コンサル・ハイペリオン(Consult Hyperion)、セキュリティ技術グループの独ギーゼッケアンドデブリエント(Giesecke+Devrient)が名を連ねていた。

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参考:マスターカード
images:iStock/s99

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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