サークル「USDC」、ポルカドット上に正式ローンチ

USDCがポルカドット上に正式ローンチ

米サークル(Circle Internet Financial)発行の米ドルステーブルコイン「USD Coin(USDC)」のネイティブ版トークンが、ポルカドット(Polkadot)エコシステム上で正式ローンチしたことが9月19日発表された。

このネイティブ「USDC」は、同エコシステム全体でデジタル資産を発行・管理・転送するために設計された共通のパラチェーンである「ポルカドットアセットハブ(Polkadot Asset Hub)」上にて発行される。

同パラチェーンにて発行されたネイティブ「USDC」は、ポルカドットパラチェーン間の通信フォーマット「クロスコンセンサス・メッセージング(XCM)」を経由することで、ポルカドットエコシステム内にて転送が可能となるとのこと。

なお発表によると既にネイティブ「USDC」は、DeFi(分散型金融)レンディングプラットフォーム「セントリフュージ(Centrifuge)」やクロスチェーン流動性プロトコルの「ハイドラディーエックス(HydraDX)」、EVM(イーサリアムバーチャルマシン)互換プラットフォームの「ムーンビーム(Moonbeam)」といったポルカドットパラチェーンのプロジェクトにて対応が開始されているとのことだ。

ポルカドットは、異なるブロックチェーンの相互接続(インターオペラビリティ)を目指すプロジェクト。メインのネットワークで最終的に取引が記録されるリレーチェーン(ポルカドット)と、そのリレーチェーンに接続される個別のブロックチェーンであるパラチェーンによってプロトコルが構成されている。

パラチェーンは、外部の開発者がカスタム可能なブロックチェーンで複数存在し、DeFiやNFTなどさまざまなユースケースを実現できる仕組みになっている。なお「XCM」はパラチェーン間でトークンやNFT、スマートコントラクトなどの通信を可能にするための通信フォーマットであり、2022年5月にポルカドットのメインネットに導入された。

現在「USDC」は、イーサリアム(Ethereum)、ソラナ(Solana)、アルゴランド(Algorand)、アバランチ(Avalanche)、ヘデラ(Hedera)、トロン(TRON)、ステラ(Stellar)、ノーブル(Noble:コスモスエコシステム)、フロウ(Flow)、アービトラムワン(Arbitrum One)、ベース、オプティミズム、ニアプロトコルに対応しており、今回ポルカドットエコシステムに対応したことで14のブロックチェーンでネイティブ版「USDC」が利用可能となった。

なおサークルは、「USDC」をネイティブのまま各ブロックチェーン間を転送する「クロスチェーン転送プロトコル(Cross-Chain Transfer Protocol:CCTP)」をイーサリアム・アバランチ・アービトラムの3つのブロックチェーンに対応させている。

今後、他のネイティブ「USDC」サポートブロックチェーンにも「CCTP」を対応させることが、サークルより発表されている。

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参考:サークル
デザイン:一本寿和
images:iStocks/tomozina

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
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ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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