英国、犯罪関与の暗号資産押収に関する法案が承認最終段階へ

王室の同意を経て法制化へ

英国の「経済犯罪および企業の透明性に関する法案」が、貴族院で承認の最終段階に入ったようだ。9月13日付けの議会資料により明らかとなった。

同法案は昨年9月に提出されたもので、当局による「マネーロンダリングや麻薬取引などの犯罪に使われた暗号資産」を押収・凍結する権限を、地方裁判所及び法執行機関に拡大するものだ。

新法案では、現在資産差し押さえのプロセスを遅らせている特定の法的ハードルを撤廃し、法案の規定によって、犯罪活動に関連するデジタル資産を2002年犯罪収益法に基づいて当局が差し押さえられるようになる。

同法案は下院と貴族院を通過したため、下院での修正審議を経たのち、チャールズ国王の同意を得て正式に法制化される。

修正案の審議は、10月18日に開催される予定だ。

労働党のルシャナラ・アリ(Rushanara Ali)議員は「閣僚が最初にこの法案に着手して以来、改善されてきた。しかし、やるべきことはまだたくさんある。ダーティ・マネーを摘発し、違法な資産を差し押さえ、経済犯罪を犯した者に対して措置を講じることができるようにするため、法令集に掲載された後は確実に執行が行われるようにしたい。経済犯罪への取り組みにおいて、透明性と行動の推進をこれ以上遅らせてはならない」と述べている。

英国では暗号資産に関する規制が続々と進行中だ。

10月からは、英国金融行動監視機構(FCA)による新しい暗号資産マーケティング規則が導入される。

同規則では、24時間の「クーリングオフ」期間の設置や、明確なリスク警告を掲示した明確かつ公正な広告が求められる。

7月には、暗号資産取引と投資をギャンブルの一種として規制する提案が英国財務省の経済長官であるアンドリュー・グリフィス(Andrew Griffith)氏によって却下されている。

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参考:英国議会
デザイン:一本寿和
images:iStocks/8213erika・sumkinna

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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