英国政府、暗号資産をギャンブルとして規制する要求を拒否

「断固として同意しない」

英国財務省の経済長官であるアンドリュー・グリフィス(Andrew Griffith)氏は7月20日、暗号資産(仮想通貨)をギャンブルの一種として取り扱うことは、英国を世界や欧州連合の規制当局と対立させ、同分野のリスクを緩和することにつながらないと述べた。

英国議会の財務省特別委員会は5月の報告書で、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、その他の「裏付けのない」暗号資産は、消費者に重大なリスクをもたらすことから、ギャンブルとして規制されるべきだと述べていた。

議員たちは、この分野を金融サービスとして扱えば、消費者が実際よりも安全だと考えるようになることを懸念しており、英国の規制当局は投資家たちに全財産を失う可能性があると警告している。

イギリスは暗号資産とブロックチェーン技術の世界的なハブになりたいと考えており、すでにこの分野のルールに取り組んでいる。

財務省は裏付けのない暗号資産の個人取引や投資活動を、金融サービスではなくギャンブルとして規制するという勧告に「断固として同意しない」とグリフィス氏は委員会の報告書への回答で述べた。

ギャンブル的な規制制度では、昨年11月に起きた暗号資産取引所FTXの破綻で浮き彫りになったリスクに対処できない可能性が高いとグリフィス氏は指摘する。

グリフィス氏はまた、「証券監督者国際機構(IOSCO)やG20金融安定理事会(FSB)を含む世界的な基準設定機関が、国内規制当局の意見を取り入れながら世界的に合意した勧告に完全に逆行することになる」と付け加えた。なおIOSCOは5月に暗号資産セクターに関する世界初のルールを提案し、FSBは7月17日にさらなる基準を提示している。

続けてグリフィス氏は「したがって、同委員会が提案するアプローチは、EUを含む他の主要な管轄区域の国際基準やアプローチとの不整合を生じさせるリスクがあり、金融規制当局とギャンブル委員会との間に不明確で重複する権限を生じさせる可能性がある」と述べた。

EUは、2024年半ば以降に施行される暗号資産の取引に関する世界初の包括的な規則である、市場規制法案(MiCA/マイカ)を承認した。

暗号資産の売買は、英国のギャンブル法ではギャンブルに分類されていないと、同国のギャンブル監視委員会の広報担当者は述べた。

「同法のいかなる変更も、当然ながら政府の問題である」と広報担当者は付け加えた。

同監視局は2021年、ソフトバンクが支援するファンタジースポーツ会社「ソーレア(Sorare)」を調査していると発表。ソーレアでは、プレイヤーは暗号資産を使ってスポーツスターを象徴するNFTを売買するため、このゲームが賭博にあたるかどうかを調査している。

英国は一般的に変動が激しい「裏付けのない」暗号資産とは対照的に、裏付け資産によって一定の価値を保つように設計された暗号資産であるステーブルコインを規制するための規則を採択する予定だ。

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    ※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
    Britain rejects call to regulate crypto as gambling By Huw Jones
    Reporting by Huw Jones; additional reporting by Elizabeth HowcroftEditing by Andrew Cawthore and Sharon Singleton
    翻訳:髙橋知里(あたらしい経済)
    images:Reuters

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    髙橋知里

    「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
    同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
    同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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    同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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