サークルとテザー、Multichainブリッジから流出したUSDCおよびUSDTを凍結

Multichainブリッジから流出した資産が凍結

米ドルペッグのステーブルコインを発行するサークル(Circle)およびテザー(Tether)が、先日起きたマルチチェーン(Multichain)提供のクロスチェーンブリッジからの資金の不正流出に関係したアドレスの保有資産を7月8日凍結した。ちなみに凍結されたのは各社発行の米ドルステーブルコインである「USDC」および「USDT」だ。レイヤー1ブロックチェーンのファントム(Fantom)が7月8日に報告した。

ファントム(Fantom)ネットワーク上で提供されるマルチチェーンによるクロスチェーンブリッジは7月6日、1.25億ドル相当(約177億円)の資金流出被害を受けていた。

この流出資産のうち6,320万ドル(約90億円)分のUSDCを3つのアドレスが受け取っており、サークルはこのUSDCを凍結した。またテザーについても、この流出資産の一部を受け取っていた別の2つのアドレスが保有していたUSDTを凍結している。

マルチチェーンは被害を受けた後サービス停止しており、再開時期は未だわかっていない。また今後サービスを使用しないよう注意喚起しており、関連する全てのスマートコントラクトのリボーク(Revoke)を推奨している。

ちなみにリボークは、スマートコントラクトに対して与えたトークンの使用許可を撤回すること。イーサスキャン(Etherscan)などのブロックチェーンエクスプローラーの他、リボークするサービスから実行ができる。

資金流出の原因については調査が進められているが、未だ分かっていない状況だ。

ファントムのCEOマイケル・コン(Michael Kong)氏は、流出した資金が他の場所に移動されてないことから今回の資金流出は通常のハッキングには見えないと語っている。また資金流出時のクロスチェーン取引が行われた際にファントム側でトークンがバーン(焼却)されていなかったことなどから、ブリッジの管理者によるハッキングの可能性も疑われている。

関連ニュース

    参考:イーサスキャン1イーサスキャン2
    デザイン:一本寿和
    images:iStocks/stsmhn

    この記事の著者・インタビューイ

    田村聖次

    和歌山大学システム工学部所属
    格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
    SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

    和歌山大学システム工学部所属
    格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
    SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

    合わせて読みたい記事

    米DTCC子会社DTC、SECからノーアクションレター取得。規制下のトークン化サービス検証へ

    米国の金融市場インフラを担うデポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング・コーポレーション(Depository Trust & Clearing Corporation:DTCC)が、子会社であるデポジトリー・トラスト・カンパニー(Depository Trust Company:DTC)について、米証券取引委員会(SEC)の取引市場部門スタッフからノーアクションレターを取得したと12月11日に発表した

    スーパーステートがトークン化株式の直接発行プログラム公開、ソラナとイーサリアムに対応

    金融テクノロジー企業のスーパーステート(Superstate)は、イーサリアム(Ethereum)とソラナ(Solana)のブロックチェーン上でトークン化された株式を、米SEC(証券取引委員会)登録の公開企業(上場企業を含む)が直接発行できる新プログラム「ダイレクト・イシュアンス・プログラム(Direct Issuance Programs)」を12月10日に発表した