Matter Labs、ハイパーチェーン構築フレームワーク「ZK Stack」公開

Matter Labsが「ZK Stack」公開

イーサリアム(Ethereum)のレイヤー2スケーリングソリューション「zkSync Era(zkシンクエラ)」を開発するマターラボ(Matter Labs)が、オープンソースフレームワーク「ZKスタック(ZK Stack)」を6月27日リリースした。

「ZKスタック」は、ゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zkp)を活用したスケーリング技術「ZKロールアップ(zkRollup)」を採用する独自のブロックチェーンを作成するためのモジュール型のフレームワークだ。

なお同フレームワークは「zkSync Era」の技術を基盤にしており、「zkSync Era」と相互接続するブロックチェーンのネットワーク「ハイパーチェーン(Hyper Chain)」の作成を目標にリリースされた。

「ハイパーチェーン」を作成する目標は、オプティミスティックロールアップ(Optimistic Rollup)を採用するL2スケーリングソリューション「OP Mainnet(旧オプティミズム)」の開発を主導するOPラボ(OP Labs)が掲げる「スーパーチェーン(Superchain)」構想とほぼ同様のものである。

ちなみに「スーパーチェーン」構想は、「OP Mainnet」の技術を基盤にしたモジュール型のフレームワーク「OPスタック(OP Stack)」を採用したブロックチェーンのシームレスな相互運用ネットワーク「スーパーチェーン」を作成するというOPラボの目標である。

「zkSync Era」は、「zkSync2.0」として開発されていたブロックチェーン。同チェーンは、昨年2月からのテストネット実施を経て、今年3月24日に全ユーザーへメインネットアルファ版が公開された。

なお同ブロックチェーンは「アカウント抽象化(Account Abstraction:AA)」がネイティブでサポートされており、「ZKスタック」を採用したブロックチェーンもこれをサポートするという。

ちなみに「アカウント抽象化」は、いままで利用されていた外部所有アカウント(EOA)からスマートコントラクトアカウント(CA)にアップグレードすることで、ユーザーがアカウント(ウォレット)から直接スマートコントラクトを使用可能にする技術だ。

なおイーサリアムの共同創業者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏はブログにて、全てのユーザーが「スマートコントラクトアカウントへの移行」「L2への移行」「ステルスアドレス対応システムへの移行」を行うことがイーサリアムの存続に必要だと語っている。

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参考:ブログ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Ket4up

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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