「メタバーキン」商標裁判で勝訴したエルメスの要求が承認、関連活動は永久禁止へ

「メタバーキン」関連活動を永久禁止

「メタバーキン(MetaBirkins)」裁判に続報だ。米ニューヨーク州マンハッタンの地方裁判所が、NFTアーティストのメイソン・ロスチャイルド(Mason Rothschild)氏に対し、同氏のNFT作品シリーズ「メタバーキン(MetaBirkins)」の販売などの活動を永久に禁止する旨の裁判命令を6月23日下した。

「メタバーキン」裁判は2022年1月、世界的高級ファッションブランドのエルメス(Hermès International SA)が、ロスチャイルド氏のNFT作品シリーズ「メタバーキン」を、一部メディアがエルメスが支援するプロジェクトだと誤認される報道をし、それによりエルメスの自社のNFT参入の機会の障害になったとして、エルメスが起こしたもの。

「メタバーキン」が、エルメスを代表する高級ハンドバッグ「バーキン(Birkin)」の商標権利を違反してるとして争われていた。

この裁判にて陪審員らは今年2月、エルメスの訴えを支持。ロスチャイルド氏へは、エルメスに対する総額13万3000ドル(約1750万円)の賠償命令が下された。なおロスチャイルド氏は裁判の中で、自身のNFT作品はアメリカ合衆国憲法修正第1条により保護された、表現の自由を有する芸術作品であると主張していた。

今回の裁判命令では、ロスチャイルド氏及び関係者らに対して、「メタバーキン」に関する鋳造・発行・生産・配布・販売・広告・宣伝・マーケティングなどの行為が永久に禁止された。

また、ロスチャイルド氏らは今後「メタバーキン」がエルメスと関連すると思わせるような発言・行為も禁じられることになる。なお「メタバーキン」のマークをSNS上で使用することも禁止された。

さらにロスチャイルド氏は、「メタバーキン」保有者に対するエアドロップなどの特典提供も禁じられた。しかし保有者らに対し、今回の裁判命令をエアドロップ(もしくはメールや書面で通知)する義務は課せられている。

さらにロスチャイルド氏は、2023年1月31日から6月30日までに「メタバーキン」から得たロイヤリティ・譲渡所得・金銭的利益を書面で特定し、7月15日までにこれら利益をエルメスに譲渡しなければならない。

また裁判の中でエルメスはロスチャイルド氏が保有する「メタバーキン」をエルメスの指定するウォレットに強制移行させることを要求。またロスチャイルド氏に対し「メタバーキン」コレクションのイーサリアムのスマートコントラクトの管理を放棄することも求めたという。

これに対しジェド・S・ラコフ(JED S. RAKOFF)判事は、「メタバーキン」は「芸術的表現の一形態となりうる」と判断。言論の自由に関して「十分慎重を期して」狭い範囲での差し止め命令が必要だと裁定し、エルメスの要求を支持しなかった。

なおロスチャイルド氏は引き続き「メタバーキン」を保有できるが、「metabirkins.com」を含むエルメスのバーキンの商標に関連するドメイン名を放棄するよう命じられている。

同氏は7月15日までにエルメスにドメイン名を譲渡せねばなないとのこと。以降ドメイン名は、エルメスによって保管されることになるとのことだ。

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参考:裁判資料1裁判資料2
デザイン:一本寿和

images:iStocks/todamo

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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