テマセクがFTX投資の責任者らの報酬減額

投資チームの不正はないものの責任果たす

シンガポールの政府系ファンドであるテマセク(Temasek)が、昨年破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXへの投資に関わったスタッフらの報酬を減額したと5月29日発表した。

テマセクは2021年10月から2022年1月までに2回、FTX関連の資金調達ラウンドに参加。FTXインターナショナル(FTX International)の株式(約1%)を2億1000万ドル(約292億円)で、FTX USの株式(約1.5%)を6,500万ドル(約91億円)で取得していた。

今回の発表によれば、独立したチームがFTXへの投資について内部調査を行ったとのこと。その調査結果は、テマセクの取締役会と同取締役会のリスク&サステナビリティ委員会に報告されたという。その結果として投資チームによる不正行為はなかったものの、投資チームと上級管理職は投資決定に対する最終的な責任があるため、説明責任を果たし、報酬減額される形となったとのことだ。

なお減額された金額等の詳細は説明されていない。

またテマセクは、FTXが投資家へ意図的に不正行為を隠していたと指摘。テマセクは「投資結果に失望した」とし、社の評判にも悪影響を及ぼしているとFTXを非難した。

テマセクは昨年11月、FTXへの投資額が、2億7500万ドル(約383億円)であったことを明らかにし、FTXへの投資全額の減損処理を決定したことを発表。

なおテマセクの投資ポートフォリオ4,030億シンガポールドルのうち、FTXへの投資額は0.09%であり、「今回のFTX社への投資の減損処理は、当社の業績全体に大きな影響を与えるものではありません」と強調している。

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参考:テマセク
デザイン:一本寿和
images:iStocks/4×6・Pict-Rider

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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