コインベース、トークンを違法に販売したとする訴訟の棄却に勝利

コインベースへのトークン違法販売の訴訟が却下

米国の判事は、コインベース・グローバル(Coinbase Global)の顧客による集団訴訟の提案を2月2日に却下した。

米国判事は、暗号資産(仮想通貨)取引所であるコインベースが未登録の証券を販売し、ブローカーディーラーとしての登録を怠ったとして訴えていた。

マンハッタンのポール・エンゲルマイヤー(Paul Engelmayer)連邦地裁判事は「コインベースとコインベースプロの取引プラットフォームで取引した顧客は、同社が取引したデジタル資産の一種である79種類のトークンの販売または所有権の保有を証明できなかった」と述べた。

コインベースの顧客は「買い手と売り手をマッチングするプラットフォームとは異なり、コインベースは仲介者として行動し、トークンの実際の売り手になっている」と伝えている。

この仕組みによりコインベースは取引手数料を徴収する一方で、従来の有価証券の投資家保護を目的とした開示規則を回避することができたという。

エンゲルマイヤー判事は「このような取引所の活動は、裁判所が被告を売り手と認定するには不十分としたマーケティング活動、資料、サービスと同列のものである」と記載している。

同判事は、連邦証券法に関する請求を予断をもって退けた。またコインベース顧客の弁護士はコメント要請に応じなかった。

暗号資産取引所バイナンス(Binance)の顧客は、昨年3月にマンハッタンの別の判事が同様の訴訟を却下したことを不服としている。

暗号資産の価格が暴落し、サム・バンクマンフリード(Sam Bankman-Fried:SBF)氏のFTXやヘッジファンドのスリーアローズキャピタル(Three Arrows Capital)を含むいくつかの主要参加者が倒産したため、暗号資産業界への監視の目は昨年から厳しくなった。

先月、米証券取引委員会(SEC)は、キャメロン・ウィンクルボス(Cameron Winklevoss)氏とタイラー・ウィンクルボス(Tyler Winklevoss)氏が経営する、現在は破綻した金融機関ジェネシス・グローバル・キャピタル(Genesis Global Capita)と取引所ジェミナイ・トラスト(Gemini Trust)を、無登録証券の販売で起訴した。

コインベースは、資産上場のプロセスを含む顧客プログラムに関して、SECの調査召喚状や情報提供の要請を受けているという。

棄却された訴訟は、コインベースが証券取引所またはブローカーディーラーとして登録せずにトークンを取引することを阻止し、損失および取引手数料の損害賠償を得ることを求めたものだ。

なおこの訴訟番号はUnderwood et al v Coinbase Global Inc, U.S. District Court, Southern District of New York, No.21-08353である。

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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Coinbase wins dismissal of lawsuit claiming it sold tokens illegally
Reporting by Jonathan Stempel in New York; Editing by Cynthia Osterman and Bill Berkrot
翻訳:竹田匡宏(あたらしい経済)
images:Reuters

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竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

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