米連邦検察がFTX前CEOサムから約904億円の資産差し押さえ、ロビンフッド株大半か

米連邦検察がFTX元CEOのSBFから約904.5億円の資産を差し押さえ

暗号資産(仮想通貨)交換業者FTXの創業者で前CEOサム・バンクマンフリード(Samuel Bankman-Fried:SBF)被告から約7億ドル(約904.5億円)の資産が米連邦検察によって差し押さえられた。その差し押さえられた資産の大部分は、米投資アプリ「ロビンフッド(Robinhood)」の株式であったことが、1月20日に裁判所へ提出された書類で明らかになった。

SBF被告は自身のヘッジファンドであるアラメダリサーチ(Alameda Research)で発生した負債を支払うため、FTXの顧客から数十億ドルを盗んだとして訴えられているが、本人は詐欺罪について無罪を主張している。同被告は10月に裁判を受ける予定だ。

ロビンフッド株の押収については今月初めに米司法省(DOJ)によって明らかにされていたが、今回の米連邦検察による書類提出によって、押収された資産のより完全なリストが提供された格好となった。リストには様々な銀行で保有されている現金や大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)に預けられた資産などが記載されている。

押収されたロビンフッド株は約5億2500万ドル(約595.3億円)相当だ。また所有権については、「SBF氏」、「FTX」、破産申請中の米暗号資産レンディングサービスの「ブロックファイ(BlockFi)」の間で争われてきた。

米司法局の報告によると、最新の資産差し押さえは1月19日に行われ、検察がハバマにあるFTXの子会社「FTXデジタルマーケット(FTX Digital Markets)」に関連するシルバーゲート銀行(Silvergate Bank)の口座から現金9450万ドル(約122.1億円)を差し押さえたという。また米司法省はサム・バンクマンフリード氏とFTX関連の他のシルバーゲートの口座から700万ドル(約9.4億円)以上を差し押さえたとのことだ。

米司法省は以前にも、ワシントン州の小規模銀行「ムーンストーン銀行(Moonstone Bank)」の「FTXデジタルマーケット」の口座から5000万ドル(約64.8億円)近くを押収している。

また司法省はSBF氏に関連するバイナンスの口座の3つの資産が刑事没収の対象になっていると述べたが、これら口座の価値の概算については言及しなかった。

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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Feds seized nearly $700 million from FTX founder Bankman-Fried
Reporting by Dietrich Knauth; Editing by Noeleen Walder and Daniel Wallis
翻訳:髙橋知里(あたらしい経済)
images:Reuters

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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