バイナンスが日本参入、国内取引所SEBC全株式取得、元クラーケンジャパン千野氏が代表取締役に

バイナンスがSEBC買収で日本参入

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、日本市場に参入する。

バイナンスは11月30日、国内にて暗号資産交換業者として暗号資産取次業を行うサクラエクスチェンジビットコイン(SEBC)の全株式を取得したことを発表した。発行済み株式のすべてがBinance(AP)Holdings Limitedへ譲渡されたとのこと。なお譲渡額などの取引条件は公表されていない。

また11月30日の日本時間17時 (UTC:午前8時) より、日本国内からの新規ユーザーはBinance.comに登録することが不可能になっている。バイナンスによるとこの動向は、現地の規制を積極的に遵守するためにプロダクトとサービスの提供を常に評価しているためだという。

今回の株主の変更にあたりSEBCは11月30日開催の株主総会において、株主の変更および役員の変更を決議している。これに伴い同日より新経営体制へ移行している。

SEBCの代表取締役へ新たに就任したのは、クラーケン・ジャパンを運営するPayward Asia株式会社で代表を務めていた千野剛司氏だ。またバイナンスのAPAC Headを務めるレオン・フォン(Leon Foong)氏が新たに取締役に就任した。 なおSEBCの代表取締役だった山本仁美氏は取締役となっている。

千野剛司氏は「日本市場は、今後の暗号資産のマスアダプションにおいて重要な役割を果たすでしょう。高度に発達したテックエコシステムを持つ世界有数の経済国として、すでにブロックチェーンが強力に取り込まれる態勢が整っています。私たちは、規制当局と積極的に協力し、地域のユーザーのためにコンプライアンスを遵守した形で、組み合わせた取引所を発展させていきたいと考えています。私たちは、日本が暗号資産市場で主導的な役割を果たすのを支援することを熱望しています」とリリースで伝えている。

山本仁美氏は「世界有数の暗号資産取引所サービスプロバイダーであるバイナンスとこのような発表をすることができ、光栄に思うとともに嬉しく思います。ユーザー保護を優先する私たちの努力に加え、バイナンスの強力なコンプライアンス体制は、日本のユーザーにとってよりコンプライアンスな雰囲気の構築に貢献し、将来的に大量導入に必要な主要な暗号資産サービスへのアクセスを支援します」と説明している。

SEBCは今年4月、電子マンガサービス「ピッコマ」を運営するカカオピッコマが子会社化していた。カカオピッコマは韓国SNS大手カカオ(Kakao)の子会社だ。

今回バイナンスはカカオピッコマからSEBCの株式を取得したことになる。 またバイナンスは2021年にTAOTAO(現SBI VC トレード)と連携し日本市場参入を試みていた。しかしその年の10月に日本市場における戦略的提携に向けた交渉を終了した。

その後今年9月にバイナンスが日本市場への参入に向け、金融庁が認可する国内暗号資産交換業者への登録申請を検討していると、事情に詳しい複数の関係者の情報としてブルームバーグが報じていた。

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参考:バイナンスバイナンス2SEBC
images:Reuters

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