イーサリアムL2開発StarkWare、新たにスケーリング技術「Recursive Proving」発表

StarkWare、「Recursive Proving」発表

イーサリアムのL2技術開発のスタークウェア(StarkWare)が、新たなスケーリングソリューション「Recursive Proving」を8月11日に発表した。スタークウェアはゼロ知識証明を活用したブロックチェーンのスケーリングソリューションを開発するイスラエルの企業だ。

今回発表した「Recursive Proving」は、同社のスケーリングソリューション「StarkEX」と「StarkNet」をサポートし、機能拡張するための技術とのこと。具体的に「Recursive Proving」を活用すれば、「StarkEX」と「StarkNet」を通してLayer1のイーサリアムに書き込めるトランザクションを数倍にすることができるとのことだ。

これまでスタークウェアのソリューションは、トランザクション群の証明をレイヤー1のイーサリアムではなくレイヤー2のネットワークで行ってきたが、「Recursive Proving」を活用すれば、データの可用性も高めながらもレイヤー1のイーサリアムのセキュリティに依存し多くのトランザクションを処理することができるようになるという。

ちなみに「Recursive Proving」は、現在メインネットのイーサリアム上で、同社のソリューションを含む複数のプロダクトに提供されているとのことだ。

スタークウェアのコアエンジニアリング部門責任者ジディ・ケンプファー(Gidi Kaempfer)氏は、次のようにコメントしている。

「Recursive Provingを活用するメリットは、新たな改良を可能にし続けることで徐々に実現され、やがてトランザクションの並列処理の潜在能力を引き出すことでスケーリング能力を高めることを実現し、ガス代を削減し、データのレイテンシを改善することができるようになるでしょう。またL3やApplicative-Recursionなどの新しい機会とともに、コストとレイテンシに大きなメリットをもたらすでしょう」

スタークウェアは5月にシリーズDラウンドを完了し、企業評価額は約1兆円となった。なお同社の技術はディーワイディーエックス (dYdX)、ソーレア(Sorare)、イミュータブルエックス(Immutable X)などのブロックチェーンプラットフォームで利用されている。

また7月にスタークウェアは、独自トークン「StarkNet Token」を発行している。ちなみに「StarkNet Token」は、ERC-20規格として発行されており、9月にガバナンスやネットワークのアップグレードに関する投票に使用できるようになる予定とのことだ。

参考:スタークウェア
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Myvector

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【12/16話題】SBIとスターテイルの円ステーブルコイン開発、リップルRLUSDのイーサL2対応、メタマスクのBTCサポートなど(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

ビットワイズ、「ハイパーリキッド(HYPE)」現物ETFをSECに再申請、ステーキング対応を明記

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ・アセット・マネジメント(Bitwise Asset Management:以下、ビットワイズ)が、暗号資産ハイパーリキッド(HYPE)の現物ETF(上場投資信託)の登録届出書「S-1申請書(Form S-1)」の修正版を、米SEC(証券取引委員会)へ12月15日付で提出した

JPモルガン、初のトークン化MMF「MONY」をイーサリアム上で提供開始

米金融大手JPモルガンの資産運用部門であるJPモルガン・アセット・マネジメント(J.P. Morgan Asset Management)が、同社初となるトークン化マネー・マーケット・ファンド「マイ・オンチェーン・ネット・イールド・ファンド(My OnChain Net Yield Fund:MONY)」の提供を開始したと12月15日に発表した