人気NFT「BAYC」の暗号資産「ApeCoin(APE)」リリース、海外取引所に続々上場

人気NFT「BAYC」のエイプコインがリリース

人気NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」に関連した暗号資産(仮想通貨)エイプコイン:ApeCoin(APE)が3月17日リリースされた。

エイプコインは「BAYC」運営のユガ・ラボ(Yuga LABS)ではなく、ApeCoin DAOが発行するERC-20規格のトークンだ。同組織のガバナンストークンとして利用される他、「BAYC」に関するエコシステムにてユーティリティートークンとしても利用される。またその他にも限定グッズやイベントなどへのアクセス権としての利用も想定されているようだ。

ユガ・ラボは今後提供を予定している「Play-to-Earn:P2E(遊んで稼ぐ)」スタイルのゲームを始めとした新製品において、エイプコインを採用するとしている。

エイプ財団のボードメンバー

なおApeCoin DAOはAPE Foundation(エイプ財団)がスチュワード(管理人)としてコミュニティをサポートする。

財団のボードメンバーには、Reddit(レディット)共同創設者・Seven Seven Sixのジェネラルパートナー兼創設者であるアレクシス・オハニアン(alexis ohanian)氏、FTXのベンチャー&ゲーミング部門責任者であるエイミー・ウー(amy wu)氏、Sound Ventures(サウンドベンチャーズ)のプリンシパルであるマーリア・バジュワ(maaria bajwa)氏、Animoca Brands(アニモカ・ブランズ)の共同創業者兼会長であるヤット・シウ(yat siu)氏、Horizen Labs(ホライズン・ラボ)のプレジデント兼ジェネラルカウンシルのディーン・スタインベック(dean steinbeck)氏の5名が選出されている。

この5名ついては6か月の任期が決まっており、任期後は改めてコミュニティ内の投票によってメンバーが選出される予定となっている。

エイプコインのエアドロップも

なおエイプコインは総供給量10億枚が発行されている。全体の47%がDAOの運用資金として配布され、ユガ・ラボに15%(1.5億枚)、ユガラボのパートナーなどプロジェクト貢献者へ14%(1.4億枚)、「BAYC」創設者4名に8%(8,000万枚)が配布される。また1%(1,000万枚)はアフリカ6カ国のチンパンジー生息地の保護活動を行うチャリティー財団「Jane Goodall Legacy Foundation」へ同等の価値が寄付されたとのことだ。

そして、残りの15%(1.5億枚)については、「BACY」および姉妹プロジェクトの「Mutant Ape Yacht Club(MAYC)」のNFT保有者に配布される。

同シリーズのNFT保有者には17日23:30(日本時間)にエイプコインのエアドロップが実施された。

「BAYC」を保有している場合の配布枚数は10,094枚、「MAYC」では2,042枚となる。また同じく犬をモチーフにした姉妹プロジェクト「Bored Ape Kennel Club」を合わせて保有している場合は配布量が異なる。「BAYC」と「Kennel Club」では10,950枚、「MAYC」と「Kennel Club」では2,898枚となる。

アニモカ・ブランズのモバイルゲームに採用も

ブロックチェーンゲーム開発企業アニモカ・ブランズ(AnimocaBrands)はエイプコインリリースの同日に、同社が提供しているモバイルゲーム「BenjiBananas(ベンジバナナ)」にエイプコインを導入することを発表した。

基本無料プレイの「BenjiBananas」だが、メンバーシップパスを購入しゲームをプレイすることで、Benji Bananasトークンを得られ、エイプコインと交換が可能になるとのこと。

なお記事執筆時点(3/18 14:00)では、メンバーシップパスはすでに完売。現在はオープンシー(OpenSea)にて2次流通されている。

エイプコインが海外取引所に続々と上場

17日のエイプコインリリースにあわせ、多くの海外大手暗号資産取引所が同コインの取り扱いを発表している。

米コインベース(coinbase)では販売所で取り扱う他、取引所ではUSD、USDT、EURのペアで取引開始。バイナンス(Binance)ではBTC、BUSD、USDT。FTXではUSDとの現物とPERPとの先物取引で取り扱いを開始した。

さらにクラーケングローバル(Kraken global)、クリプトドットコム(Crypto.com)、フォビグローバル(Huobi Global)、OKX、バイビット(BYBIT)、クーコイン(KuCoin)、ネクソ(Nexo)、ジェミナイ(Gemini)でも上場が発表されている。

NFTとは

「NFT(Non Fungible Token:ノンファンジブル・トークン)」とは、代替が不可能なブロックチェーン上で発行されたトークンを指す。NFTの規格で発行されたトークンは、そのトークン1つ1つで個別の価値を持つ。そのためNFTを画像や映像などのデジタルデータと紐付けることで、デジタルデータの個別の価値を表現することに活用されている。

なおNFTという言葉は現在幅広く活用されており、活用するブロックチェーンやマーケットプレイスの種類によって、その機能や表現できる価値が異なる可能性があることには留意が必要だ。

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デザイン:一本寿和
images:iStocks/dalebor

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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