EU、ロシアとベラルーシへの経済制裁を暗号資産にも拡大

欧州委員会がロシアとベラルーシの経済制裁に暗号資産を適用

欧州連合(EU)の政策執行機関である欧州委員会(EC)が、ロシアとベラルーシに対する経済制裁の適用範囲を、暗号資産(仮想通貨)についても拡大することを3月9日に発表した。

欧州委員会によると、ロシアに対しては、海上航行および無線通信技術の輸出についての新たな制限の導入や、資金制限の対象となる国有企業の拡大などの措置を追加するとのこと。また、ベラルーシに対してはロシアと同様にSWIFT(国際銀行間通信協会)の制限やベラルーシ中央銀行との取引停止などの措置を追加し、金融制裁を強めるとのことだ。

さらに欧州委員会はロシアおよびベラルーシで資金流通手段となりうる暗号資産について、「暗号資産を含むあらゆる手段でローンとクレジットを提供できる」という共通理解を確認し、暗号資産を「譲渡可能証券(transferable securities)」として明確に分類することで暗号資産に対する制裁も強めていく方針を固めた。

なおEUの経済・金融委員会は、EUにおける暗号資産の規制枠組みについての投票を3月14日に予定している。

暗号資産にまつわる制裁については、ロシアによるウクライナ侵攻の開始当初から議論されており、2月27日にはウクライナのDX担当大臣から主要な暗号資産取引所へロシアに関連する口座凍結の呼びかけが行われた。この呼びかけに対し、多くの暗号資産取引所は否定的な反応をしつつも、制裁の対象となった場合は協力するという姿勢を見せていた。

今回、正式に暗号資産が制裁の対象に加わることにより、多くの取引所はロシアやベラルーシに対してサービスを制限することに協力する可能性が高くなったと考えられる。

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参考:欧州委員会
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Rawpixel・artacet

この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部
一橋大学2年生
真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

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