日立がアンソロピックと戦略提携
日立製作所が、AIモデル「クロード(Claude)」を提供する米アンソロピック(Anthropic)との戦略的パートナーシップ締結を5月19日に発表した。
今回の提携では、社会インフラ領域における「フィジカルAI」の安全な社会実装と、日立グループ約29万人規模での自社業務改革を並行して進める方針が示された。
まず両社は、日立の社会課題を解決する事業モデル「ルマーダ3.0(Lumada 3.0)」を強化し、電力、交通、製造、金融などのミッションクリティカル領域で、システム開発・運用の高度化やセキュリティ強化を進めるという。
日立は、AIが現在「サイバー空間」から実世界へ直接働きかける「フィジカルAI」へ進化しているとの認識を示している。そのうえで、製造・保守・インフラ運営などの現場では、人手不足や負担増を背景に、安全性や信頼性を重視したAI活用ニーズが高まっていると説明している。
日立は今回の提携について、110年以上にわたり培ってきたドメインナレッジやIT・OT(制御・運用技術)・プロダクト知見と、アンソロピックのクロードを融合する取り組みと位置付けている。
両社は今後、クロードのコード生成・解析能力と、日立のシステムエンジニアリング力を組み合わせることで、システム開発・運用効率や品質向上を図るとしている。
また、日立は同社のセキュリティ専門組織「サイバーCoE(Cyber CoE)」とアンソロピックが連携し、社会インフラ向けのサイバー攻撃検知や対応高度化も進めるとの方針も示した。
さらに日立は、自社業務改革も進める。日立グループ約29万人の全ビジネスプロセスで、クロードなど先進的なAIを活用し、生産性向上を図る方針だ。
ソフトウェア開発、コーポレート業務、保守・運用業務などでAI活用を進めるほか、営業や企画部門など非エンジニア職種も含めて導入を拡大するという。
さらに同社は、10万人規模の「AIプロフェッショナル人財」育成も進めるとしている。日立は、自社でのAI活用を「カスタマーゼロ」と位置づけ、その成果を次世代ソリューション群「エイチマックス・バイ・ヒタチ(HMAX by Hitachi)」へ反映すると説明している。
両社は、北米・欧州・アジアを横断するグローバル組織「フロンティアAIデプロイメントセンター(Frontier AI Deployment Center)」も設立するとのこと。日立によると、同組織は当初約100人体制で開始し、将来的には300名規模まで拡大する計画だという。
日立は19日、Anthropicとの戦略的パートナーシップの締結を発表しました。https://t.co/cCWnEH2wAf
— 日立製作所 (@Hitachi_Japan) May 19, 2026
AnthropicのAI技術に日立の培った知見を組み合わせ、社会のAIトランスフォーメーション(AX)を推進。10万人のAI人財の育成やClaudeの導入などを通じ、サービスの高度化を図ります。@AnthropicAI pic.twitter.com/gDkgt0SGyq
参考:日立
画像:PIXTA