コスモスSDK構築のステーブルコイン基盤「ノーブル」、EVMレイヤー1に移行へ

ノーブルがコスモス基盤から独立を発表

ステーブルコインに特化したブロックチェーン「ノーブル(Noble)」が、コスモスSDK(Cosmos SDK)を基盤とした構成から、独立したEVM互換のレイヤー1ブロックチェーンへ移行する。ノーブルの公式ブログにて1月20日に発表された。新たなネットワークは引き続き「ノーブル」と呼ばれ、メインネットの立ち上げは3月18日が予定されている。

ノーブルは2023年に立ち上げられ、当初はステーブルコインやRWA(現実資産)の発行および相互運用を目的とした中立的な流動性ハブとして設計された。これまでに50以上のブロックチェーンにまたがり、累計220億ドル以上の取引量を処理してきたという。現在は、分散型金融(DeFi)、企業向けユースケース、決済分野などで実利用を伴うステーブルコインアプリケーションを支える基盤へと役割を広げている。

今回の移行により、ノーブルはコスモス基盤から離れ、ステーブルコイン用途に特化した高性能なEVMレイヤー1を構築する。公式ブログによると、新ネットワークでは500ミリ秒未満のファイナリティを目指し、バリデーター構成には機関向けの利用を意識したプルーフ・オブ・オーソリティ(PoA)を採用する予定だという。なおPoAとは、限られた検証主体(権威)によってブロック検証を行う合意方式を指す。

ノーブルは、今回の技術スタック変更について「安全性、信頼性、性能を兼ね備えたグローバルなステーブルコイン基盤を提供するため」と説明している。また、既存の開発環境やツールに慣れた開発者や事業者が参加しやすい点もEVMを選択した理由の一つとして挙げている。

新たなEVMレイヤー1では、ノーブルが発行する米ドル建てステーブルコイン「ノーブル・ダラー(USDN)」が中核的な資産として位置付けられるとのこと。USDNは短期米国債に裏付けられた利回り付きステーブルコインで、ノーブルはこれを軸に、為替取引や企業向け決済など現実世界の金融ユースケースへの展開を想定しているという。

なおコスモスエコシステムでは昨年、開発を主導するインターチェーンラボ(Interchain Labs)が、コスモスハブ上でのEVM実装計画を中止し、汎用的なスマートコントラクト基盤としての競争から距離を置く戦略転換を発表している。同社は当時、ブロックスペース市場の分断や開発リソースの分散を理由に挙げ、今後はIBCを軸としたサービス基盤への集中を明確にしていた。

ノーブルの共同創業者兼CEOであるジェレナ・ジュリッチ(Jelena Djuric)氏は今回の判断について、自身のXアカウントで、「長年にわたり試行錯誤を重ねてきた結果の判断である」とする趣旨の投稿を行った。同氏は、コスモス基盤上で一定の実績を築いた一方で、構想していたDeFi(分散型金融)や決済関連アプリケーションの開発において制約があったことにも言及している。

参考:ノーブル
画像:PIXTA

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あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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