スイスとドイツの当局、マネーロンダリング対策の一環で「cryptomixer[.]io」を閉鎖

クリプトミキサーが閉鎖

スイスおよびドイツの複数の法執行機関が、違法行為に由来する「ビットコイン(BTC)」送金の追跡を隠すために使われてきた最大級のプラットフォームの一つであるクリプトミキサー(cryptomixer.io)を閉鎖したと12月1日に発表した。

ドイツ連邦刑事警察庁(BKA)は先週11月26日の声明で、フランクフルトの地方検察庁およびチューリヒ当局と連携し、クリプトミキサーのサイトを閉鎖したと説明した。

BKAによれば、2016年に開始されたクリプトミキサーは、収益が数十億ユーロ規模に達した主要な「ビットコイン」ミキサーの一つであり、その大半は犯罪行為から得られたものだったという。

クリプトミキシングとは、暗号資産取引を匿名化するため、資金を分割し、他の資金と混ぜ合わせることで追跡を困難にするサービスである。

チューリヒ当局が主導した今回の作戦では、当局がスイス国内のサーバーを押収したほか、クリプトミキサーのインターネットドメインも差し押さえた。さらに12テラバイト超のデータを押収し、2,500万ユーロ(2,900万ドル、約45億1,500万円)超相当の「ビットコイン」を没収した。

BKAは、得られた成果はさらなるサイバー犯罪の捜査にも寄与するとし、欧州刑事警察機構(ユーロポール)に加え、欧州連合(EU)および米国の機関も捜査に関与したと述べた。

ユーロポールは別の声明で、クリプトミキサーはランサムウェアやマネーロンダリングを含むサイバー犯罪の助長に関与した疑いがあり、通常のウェブとダークウェブの双方からアクセス可能だったとしている。

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Swiss, German authorities shut down cryptomixer.io in money laundering crackdown
(Reporting by Ludwig Burger, editing by Thomas Seythal)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:PIXTA

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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