ヤーンファイナンスのyETHで不審な資金移動が発覚。約300万ドル相当のETHがトルネードキャッシュへ

ヤーンファイナンスは不審な資金移動に対し「調査中」と投稿

イーサリアム(Ethereum)上で利回り運用サービスを提供するヤーンファイナンス(Yearn Finance)による複数のリキッドステーキングトークン(LST)をまとめた集約型トークン「yETH」を巡り、不審な資金移動が確認された。オンチェーン分析者トグベ(Togbe)氏が12月1日、大量のイーサリアム(ETH)がトルネードキャッシュ(Tornado Cash)へ送金されたことを自身のXアカウントで報告した。

トグベ氏の投稿によると、yETH関連とみられるアドレスから100ETH単位の送金が複数回行われ、合計で約300万ドル(約4億6,723万円)相当のETHがトルネードキャッシュへ送金されたことが確認できるという。なおオンチェーンデータでは、これらの送金は主にアドレス「0x3e8e7533…b0b97」から行われており、100ETHごとの連続送金が複数回実行されていたことが確認できる。

またLST関連資産やETHが複数のアドレス間で移動しており、yETHの価格は大きく下落した。

ヤーンファイナンスは同日、自身のXアカウントにて「yETHのLSTステーブルスワッププールで発生したインシデントを調査している」と投稿した。また同投稿では「ヤーン・ボールト(Yearn Vaults)V2およびV3は影響を受けていない」と説明している。

これらの動きが発生した背景や原因については現時点で明らかになっていない。今回の事象について、攻撃の有無や被害規模など詳細はまだ判明しておらず、続報が待たれる状況だ。

なおyETHは、ステーキング由来のイーサリアムを複数まとめて保有するインデックストークンで、stETHやrETH、cbETHなど主要なLSTを束ねた構成となっている。また今回の送金先となったトルネードキャッシュは、過去の複数のハッキング事件で資金移動先として利用されてきたミキシングサービスであり、匿名化用途でしばしば使われてきた経緯がある。

参考:イーサスキャンDEXスクリーナー
画像:PIXTA

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