アーサーヘイズが現物ビットコインETFを考察。メリットや相場予想述べる

ヘイズ氏の考察

暗号資産(仮想通貨)取引所ビットメックス(BitMEX)の共同創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ(Arthur Hayes)氏が、現物ビットコインETFに関する考察を1月15日公開した。

この考察では、現物ビットコインETFの構造を説明しながら、同商品が暗号資産市場に与える影響が論じられている。

ヘイズ氏は、ETFの内部構造は「伝統的金融(TradFi)と暗号資産市場で取引できる人々にとって、素晴らしい取引機会を生み出す」との見解を示した。

具体的なメリットとして、ETFが原資産のビットコインの価格を参照する際の時間を活用した裁定取引やボラティリティの裁定取引、ETF活用のオプション取引、ETFを担保にした資金調達等が挙げられた。

ヘイズ氏は、「ビットコインは世界で取引される資産であり、価格発見は主にバイナンスで行われる。もう1つのアジアの大手取引所はOKXだ」とし、ビットコイン市場が久しぶりに手にしそうな長期の裁定取引の機会において「うまくいけば、数十億ドルのフローが、流動性が低く、東部にある大手の競合取引所に1時間以内に集中するだろう。そういった取引所では、裁定取引のチャンスがあるはずだ」と述べている。

また同氏は、ビットコインは過去5年を見ても株式や債券といった伝統的金融と相関性が高くないため、インフレに有利だと指摘。世俗的な長期トレンドの観点として、インフレが続く限り暗号資産ETF群は資産を集め続けると述べている。

また同氏は、「伝統的金融による資産の金融化は通常、少なくとも当初は原資産の価格を法定通貨ベースで上昇させる」とし、「ビットコインの金融特性が米国、そして中国(香港)の金融市場に加われば、中期的にはビットコインの価格も上昇する」との私見を述べた。

そして自身の投資については、銀行向けターム資金調達プログラム(Bank Term Funding Program:BTFP)の更新とFRBの金利決定が一段落するとみられる3月中旬までは、暗号資産のリスクをポートフォリオに追加しないことを決めているという。

ヘイズ氏は、「強気相場は始まったばかり。2024年は値動きの不安定な年になるだろうが、年末にはビットコインと暗号資産全体の時価総額が史上最高値を更新するか、それ以上になると私は予想している」と結んでいる。

関連ニュース

参考:ビットメックス
images:iStocks/liuzishan・LongQuattro

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

合わせて読みたい記事

【5/14話題】米コインベースのシステム全体が停止、Tanéがa16z委任でオプティミズムのガバナンスに参加など

米コインベースのシステム全体が停止中、現在は問題調査中、Tanéがオプティミズムのガバナンスに参加、a16z委任受け、米暗号資産団体がPAC発足、連邦議会選の候補支援 会員44万人から資金募る、ユニスワップ創設者が米大統領に暗号資産政策を見直すよう忠告、SECへの批判も、リップル社CEO、米政府がUSDTを標的にしていると発言。テザー社CEOはこれに抗議、Snap to Earn「SNPIT」のトークン「SNPT」、BOBG社で発行が決定、兼松、ブロックチェーン活用「TradeWaltz」で書類保管を全面電子化に、BlockdaemonがUAE進出、アブダビグローバルマーケット(ADGM)に登録、Eigen Layerの「EIGEN」が請求可能に、取引所には未上場、Fireblocks、認可済みカストディアンへのネットワーク提供へ、NYDFS規制下の信託会社設立も、オムニチェーンID認証展開「Layer3」、独自トークン「L3」初回エアドロを今夏実施へ、暗号資産ウォレット提供「エクソダス」、NYSEへの上場が遅延