イーサリアムL2「Kinto」、オプティミズムからアービトラムにエコシステム移行

イーサリアムL2のKintoがアービトラムにエコシステム移行

イーサリアム(Ethereum)レイヤー2スケーリングソリューションのキント(Kinto)が、オプティミズム(Optimism)からアービトラム(Arbitrum)のエコシステムへ移行することを11月21日発表した。

キントは今年5月、「OPスタック(OP Stack)」を用いてテストネットをローンチしたが、今回「アービトラムオービット(Arbitrum Orbit)」でのメインネット構築に方針を切り替えたとのことだ。

なお「OPスタック」は、L2スケーリングソリューション「オプティミズム(Optimism)」の開発を主導するOPラボ(OP Labs)提供の独自ブロックチェーン構築をサポートするソフトウェア。

また「アービトラムオービット」は、L2スケーリングソリューション「アービトラム(Arbitrum)」開発のオフチェーンラボ(Offchain Labs)提供の独自チェーン開発用のツールパッケージだ。

なおオプティミズムおよびアービトラムは、共にオプティミスティックロールアップ(Optimistic Rollup)を採用するスケーリングソリューション。ロールアップとは、元となるブロックチェーンのセキュリティなどを活用しながら、ガス代(ネットワーク手数料)やネットワークの混雑解消を図るスケーリングソリューションである。

そしてキントは、オンチェーンの金融システムへの移行を加速するために設計されたロールアップを提供するL2チェーンとのこと。パーミッションレスのKYC(本人確認)およびAML(マネーロンダリング防止対策)とアカウント抽象化(AA)を特徴とし、高度な金融アプリケーションのニーズに応えることに重点を置いているという。メインネットローンチは2024年第1四半期を予定しているとのこと。

今回の移行についてキントの創業者ラモン・レクエロ(Ramon Recuero)氏は「アービトラムは、プロジェクトへの採択、TVL(総預かり資産)、および技術の成熟度に関して、ロールアップスペースの紛れもないリーダーです。アービトラムはコミュニティ主導のエコシステムであり、何千ものプロジェクトがクリプトネイティブによって構築されています。私たちは、クリプトの原則と倫理を疎外することなく、TradFi(伝統的金融)をDeFi(分散型金融)に橋渡しすることを目指しており、アービトラムはそのための最良の場所です」とコメントしている。

なおキントは今年2月に設立しており、これまでの資金調達ラウンドで500万ドルを調達している。

関連ニュース

参考:プレスリリースミディアム
images:iStocks/Foryou13

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【12/16話題】SBIとスターテイルの円ステーブルコイン開発、リップルRLUSDのイーサL2対応、メタマスクのBTCサポートなど(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

ビットワイズ、「ハイパーリキッド(HYPE)」現物ETFをSECに再申請、ステーキング対応を明記

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ・アセット・マネジメント(Bitwise Asset Management:以下、ビットワイズ)が、暗号資産ハイパーリキッド(HYPE)の現物ETF(上場投資信託)の登録届出書「S-1申請書(Form S-1)」の修正版を、米SEC(証券取引委員会)へ12月15日付で提出した

JPモルガン、初のトークン化MMF「MONY」をイーサリアム上で提供開始

米金融大手JPモルガンの資産運用部門であるJPモルガン・アセット・マネジメント(J.P. Morgan Asset Management)が、同社初となるトークン化マネー・マーケット・ファンド「マイ・オンチェーン・ネット・イールド・ファンド(My OnChain Net Yield Fund:MONY)」の提供を開始したと12月15日に発表した