グレイスケール、SECへ現物ビットコインETFの新たな申請行う

承認めぐる裁判勝訴から数週間での申請

暗号資産(仮想通貨)運用会社グレイスケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)が、米証券取引委員会(SEC)へ現物(スポット)ビットコイン(BTC)上場投資信託(ETF)「グレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)」の新たな申請を行ったと10月19日発表した。

グレイスケールは、SECへフォームS-3登録申請書を提出。米証券取引所のエヌワイエスイーアーカー(NYSE Arca)での株式上場を目指すとのこと。

なおS-3登録申請書は従来の申請書S-1目論見書の概要に相当するものだという。

グレイスケールは8月、ビットコインETF承認をめぐるSECとの裁判で勝利している。

SECへは現物ビットコインETFへの承認拒否を取り消すよう裁判命令が下され、SECはこの判決に控訴していない。

続々とアプローチも

10月17日には米大手資産運用会社フィデリティ(Fidelity)が現物ビットコインETF「ワイズ・オリジン・ビットコイン・トラスト(Wise Origin Bitcoin Trust)」の改訂版をフォームS-1にて提出した。同ETFはシーボー・グローバル・マーケッツ(Cboe Global Markets)運営の株式取引所「シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)」での上場を目指すとのことだ。

また10月18日には米大手資産運用会社ブラックロック(BlackRock)が現物ビットコインETF「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(iShares Bitcoin Trust)」申請のための修正目論見書を提出した。

この修正された目論見書には、現物ビットコインETFの承認競争における競合の認識、商品の価格設定と報告メカニズムに関する詳細な説明等が加えられた。同目論見書では「競争の影響により、当信託が当初の市場において受け入れられ、規模を拡大できる保証はない」と述べられている。

ビットコインの現物ETFが承認されれば、投資家に時価総額で世界最大の暗号資産へのエクスポージャーを与えることになるため、現物ビットコインETFの承認については業界で期待が高まっていると言えるだろう。

10月16日には、米資産運用会社ブラックロック(BlackRock)の現物ビットコインETFが承認されたという誤報を受け、BTCの価格が乱高下した。

SECのゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長は10月18日のブルームバークTVのインタビューにて、SECが審査している複数のビットコインETFの審査状況について「スタッフは複数のETF提出書類について作業を続けている」と明かしていた。

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参考:グレイスケール
デザイン:一本寿和
images:iStocks/24K-Production

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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