米地裁、大手DEX「ユニスワップ」に対する集団訴訟を全面的に棄却

特定可能な被告はいない

大手DEX(分散型取引所)のユニスワップ(Uniswap)に対する集団訴訟が全面的に棄却された。8月29日付けの裁判資料によって明らかとなった。

同集団訴訟はネッサ・リズリー(Nessa Risley)氏を代表とするトレーダーたちが2022年4月に起こしたものだ。ユニスワップが未登録有価証券にあたる「詐欺的なトークン」の上場を許し、取引所の利用者に金銭的な損害をもたらしたとしてユニスワップを訴えていた。

裁判資料によれば、ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所のキャサリン・ポーク・ファイラ(Katherrine Polk Failla)判事は「プロトコルは分散型であるため、詐欺的なトークンの発行者の身元は基本的に不明であり、把握することは不可能」とし、「原告は特定可能な損害を被ったが、特定可能な被告はいない」と裁定した。

また、ファイラ判事は「ユニスワップの中核となるスマートコントラクト」と「各種トークンの取引を可能にする流動性プールのコントラクト」を区別すべきと指摘。

原告らに損害を与えたのは「詐欺的なトークン発行者のコントラクト」であり、その他のトークンはユニスワップ上で安全に取引されている事実から、ユニスワップのスマートコントラクト自体は違法ではないとした。

またファイラ判事は今回の事例を無理やり連邦証券法に当てはめようとするのではなく、議会に対しDeFi(分散型金融)に関する規制策定を求めるべきとの考えを示した。

裁判資料では「当裁判所は、申し立てられた行為を適用するために連邦証券法を拡大解釈することを拒否し、原告の懸念は当裁判所よりも議会に訴える方がよいと結論付ける」と述べられている。

DeFiも取引所規定の対象とする規制が提案

米証券取引委員会(SEC)は4月、同委員会の規則において「取引所」の定義を再定義する提案を発表した。

同提案での「取引所」は「構造化された方法を通じて証券の買い手・売り手を集めて取引を行う」システムだという。この定義に従えば、資産の売買のために買い手・売り手を繋ぐDeFiプロジェクトも対象となる可能性がある。

同提案は3対2で議決している。

なおSEC委員長のゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長は昨年4月、ペンシルベニア大学でのスピーチにおいて、DeFiにも取引所レベルの規制すべきという自身の考えを明かしていた。

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参考:裁判資料
デザイン:一本寿和
images:iStocks/AndreyPopov

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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