【速報】金融庁、暗号資産レンディング「IZAKA-YA」運営会社に警告。無登録で交換業

無登録の暗号資産交換業として警告

金融庁が、暗号資産(仮想通貨)のレンディング・ウォレットサービス「イザカヤ(IZAKA-YA)」を運営するイザカヤ・リミテッド(Izakaya Limited)に対し、無登録で暗号資産交換業を行っていたとして警告した。9月1日に公表された。

金融庁の警告資料によると、同社はインターネットを通じ、日本居住者を相手方として暗号資産交換業を行っていたという。資料上の所在地は香港・九龍のモンコックで、代表者は不明とされている。

また同資料の備考欄には、同社がインターネット上で暗号資産取引を提供する「IZAKA-YA」を運営していると明記されている。IZAKA-YA公式サイトの会社概要に記載された運営会社名と所在地も警告資料と一致しており、今回の警告対象は、最近X上で出金問題が話題となっていたレンディングサービスと同一である。

IZAKA-YAは、暗号資産のレンディングを中心に、ウォレット、スワップ、購入、送金などの機能を提供するサービスだ。公式サイトによるとイザカヤ・リミテッドは2023年4月に設立され、同年12月にIZAKA-YAの提供を開始したという。通常のレンディングでは最大年利12%を掲げている。

暗号資産レンディングは一般に、事業者が利用者から暗号資産を借り入れ、一定期間後に貸借料を付して返還する仕組みだ。現行制度では、この借入れ自体に暗号資産交換業の登録は不要とされている。金融庁は、借り入れた暗号資産には現行の管理規制が及ばず、利用者が事業者の信用リスクや暗号資産の価格変動リスクを負うと整理している。一方、暗号資産の売買・交換やその媒介、利用者のために暗号資産を管理する業務を行う場合には、資金決済法に基づく暗号資産交換業の登録が必要となる。

ただし、7月15日に成立した金融商品取引法および資金決済法の改正法では、利用者から暗号資産を借り入れる業務も、新たな「暗号資産取引業」の対象に追加された。改正法の施行後は、暗号資産レンディングも原則として登録規制の対象となる。

出金できないとの訴え相次ぐ

8月下旬、IZAKA-YAの利用者から「出金できない」との訴えがX上で相次ぎ、業界内で懸念が広がっていた。

これを受けIZAKA-YAは8月24日、送金・出金に関するお知らせを公表。不正な資金の流入やマネー・ローンダリングの疑いがある取引を一部確認したとして、該当する一部アカウントの送金・出金を一時停止していると説明した。

同社は、すべての利用者を対象とした一律の停止ではないとした一方、取引モニタリングの強化に伴い、通常の送金・出金にも従来より時間がかかる場合があると説明。また、それまで本人確認なしで利用可能としていたサービスについて、全利用者を対象にKYC(本人確認)を必須化すると発表した。

一方、同社は出金を巡る訴えが表面化するなか、8月25日、「年利100%」を掲げ、他社から資産を移した場合には追加報酬を含めて「実質年利150%」とするキャンペーンを8月31日まで延長した。同キャンペーンでは、SNSで指定の投稿を行った利用者へのUSDT付与も実施していた。キャンペーンページによると、各利回りは貸出期間に応じて日割りで計算される仕組みだった。

また同社は8月22日から、初回レンディングに対して通常報酬とは別に「年利500%」相当の追加報酬を付与するキャンペーンも実施していた。追加報酬は日割り計算で、上限は1万円相当のUSDTとされている。

IZAKA-YAは8月27日にも対応状況を公表し、すべてのアカウントを一律に停止しているわけではなく、確認が完了した一部利用者には8月25日に送金を実施したと説明。引き続き、個別確認が終わったものから順次送金を進めるとしていた。

また円建てステーブルコイン「JPYC」を発行するJPYC社の岡部典孝代表取締役は8月24日、IZAKA-YAの発表を受け、利用者に慎重な行動を呼びかけた。

岡部氏は同日、Xで金融庁に本件を伝える意向を表明。その後、岡部氏が26日に金融庁を訪れ、IZAKA-YAを巡る状況を情報提供したと「NADA NEWS」が報じている。岡部氏には、利用者から「JPYCを預けたが戻ってこない」といった相談が寄せられていたという。

ただし金融庁は、今回の警告に至った具体的な調査経緯を公表しておらず、岡部氏による情報提供との因果関係は確認できない。

なお今回の警告は、イザカヤ・リミテッドが日本居住者を相手方として無登録で暗号資産交換業を行っていたことに対するものだ。金融庁資料では、同サービスのどの機能が暗号資産交換業に該当したかは示されていない。また、出金遅延の原因や顧客資産の保全状況については言及されていない。

参考:金融庁
画像:iStocks/PIXTA

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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